2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
俺は大学の授業を終え今日は

まっすぐ帰宅し実家で風呂と飯を

済ますとバイトへ行く為に準備をしていた。

「いっつも黒ばっかりやって

マスターとか浩二さんに

突っ込まれてるけど・・・

俺実は服って黒しか

持ってへんよな~

着たくないのに

別の色買うのも

この木林のポリシーには

反するし・・・」

俺は実家の2階にあるマイルームの

クローゼットにズラリと並ぶ黒の

Yシャツに黒のカーディガン

黒のチノパンに黒の革のパンツなどを

見ながら独り呟いていた。

「今日はヒカルさんは

来る予定無いけど・・・

芳恵さんと幸子さんが

来るから・・・

あの2人はヒカルさんより

さらに大人やさかいな~

ちょっと今日はスーツでビシッと

決めたろかっ」

黒である事には変わりは無いが

俺は黒のカッターに上下黒の

スーツに身を包むとネクタイだけは

赤色の物を締め自宅を1階に降りた。

「ヒロキ~

あんたなんちゅう恰好してんよっ

何処に行くんや?」

実家の母は俺がバイトをしている

事は知っているが何のバイトを

しているかまでは知らないので

この服装を見て驚いている。

「バイトやって!」

「バイトてあんた

何のバイトしてんよっ!

ややこしい事に首

突っ込んでんちゃうんやろね?」

まあオカンがこう言うのも

解るがオカンに言われると

煩いだけである。

「なんや

ややこしい事って

普通のバイトやよっ!

接客や接客!

俺は時給でチマチマ働くのが

嫌なんやっ!

無能な輩と横一線の

同じ給料で働けるか~よっ

俺は今この身一つで

歩合給というやればやるだけ

金になる仕事をしてんねんっ!」

「それがややこしいって

言うてんやんかよっ!」

「もうっ!うるさいな~

オカンみたいな昭和初期の

人間に言うても解らん世界で

俺は生きてんのやっ

ほな行ってくるわっ!」

俺は玄関口でガミガミ煩い

オカンを何とか巻いて俺の

バイト先がある空港連絡道の

大きな高架がある下から少し

逸れた所にある繁華街。

フォックスタウンという

飲み屋街のテナントが立ち並ぶ

場所へ向かう為に同じ飲み屋街の

別の店で働く陽子さんに連絡を

していた。

陽子さんはヒカルさんと同じ

元体大生で体大卒業後も

この町に住み続けOLをしているのだが

大学時代の名残で週に3度ほどは夜も

スナックでバイトをしていた。

「もしもし~

陽子さん・・・

俺です。

ヒデです。」

陽子さんとは陽子さんが自分の店を

終え俺がバイトするロビンフッドに

客として来てくれたことにより

知り合ったので陽子さんには

ヒカルさんと同じくヒデと名乗っている。

「あっ

ヒデ君~

私も今バイト行く準備

終わったから今から迎えに

行くね~」

俺は陽子さんがバイトがある日は

同じテナントで働く仲なので

陽子さんの車で迎えに来て貰うように

なっていた。

「あっホンマ

いつもすんません。

ほないつもの所で

待ってます。」

「うん。それじゃぁ

また後でね~」

陽子さんは明るい声でそう言うと

電話を切り俺はいつもの所

実家から国道へ歩いて行き

国道の手前の潰れた家具屋の前で

座りタバコを吸いながら待っていた。

すると若い学生らしき奴らが

2人近づいてきた。

「なんや。

お兄ちゃんら。

俺はヤンキー君に

知り合いはおらんで。」

若い学生服を着た2人は

顔を見合わせ何か言いたそうだが

モジモジ・・・

いやモジモジと言うよりは

モゲモゲしている。

モゲモゲとは俺と武市の間で

よく使う言葉でモジモジの

上位語に当たる言葉と

理解してくれれば解りやすいと思う。

「あの・・・

兄さん、耳南の木林さんっすよね・・・」

1人の見るからに頭の悪そうな

髪の毛の色をした学生が俺に

そう尋ねてきた。

「まあ。

もう卒業はしているけど

如何にもこの俺が木林やが

お前たちはこの辺の学生かね?」

「あっはい・・・

僕は迫言います。

兄貴が木林さんらの

同級生の・・・」

「あっ僕は

真谷です・・・」

頭の悪そうな髪の色をした

奴は俺の中学時代の

同級生の弟であった。

そしてその迫の弟の連れである

似たような格好をした俺の出身校の

制服を着た隣にいた奴が

シンタニと名乗る。

「お~お前

迫の弟か~?

兄貴は元気にしているかい?」

「あっはい・・・

兄貴は高校卒業して

今は既に空港で働いています」

「そうかね。そうかね。

奴はいち早く社会人か・・・」

迫の弟はそういながら

さっきよりモゲモゲしだして

いる。

(なんやトイレにでも行きたいんか?)

俺がそう思い気を効かせてやり

「迫ブラザー?

お前俺に声かけてきたんは

何か用があったんやろ?

兄貴が元気にやっとる

という事を伝えるためだけと

ちゃうやろ?」

俺がそう言うと

モゲモゲしていた迫弟より

さらにシンタニと名乗った

迫弟の隣にいる奴が迫弟よりモゲり出す。

迫弟がお前言えよっていう

感じにシンタニの背中をポンと

叩くとモゲりまくっていた

シンタニが口を開く

「あの・・・

木林さんって・・・

あの僕らの中学出身の

冨田さんと仲良いんすよね・・・

実は僕の姉が少し困ったことに

なっていまして・・・

その・・・

冨田さんにお願いしたい事が

あって・・・

それで木林さんに口をきいてもらおうと

思いまして・・・」

とモゲりまくっていた

シンタニが話し出すと早口で

余程話すことが苦手なのか

一気に所々でつまりながらも

まくし立てるように話す。

すると迫弟がフォローするように

「あっ木林さん・・・

こいつの姉貴

今木林さんらが

通っている大学の3年生でして・・・

その・・・

彼氏と達磨亭ていう三滝町にある

心霊スポットに行ったらしいんすよ。

そこで何があったかは

こいつも僕も知らないんすが

何かその達磨亭から帰ってきてから

姉貴の様子がおかしくて・・・

それでウチの兄貴がそんな話の専門家は

冨田さんやと・・・

冨田さんはあのTVとかにも

出ている甲田福子さんの甥っ子さんやから

相談乗ってくれるんちゃうか?

て言うてまして・・・」

(なるほどな・・・

そういう事か・・・

まあこのシンタニ言う奴の

お姉さんが武市を紹介してくれ

一度デートしたいから言う話では

無いとは思ってたが・・・

そういう事なら口効いたらな

しゃ~ないなぁ・・・

しかし迫弟も見た目によらず

中々仲間思いやないか・・・

よしよしっ)

俺はフ~とタバコの煙を宙に吹き上げると

親指と人差し指でタバコを捻り

火を消しながら

「そういう事か・・・

それならお前の姉ちゃんは

何らかの霊障に脅かされてる

可能性があるなぁ・・・

その達磨亭言う所は

俺も行った事はないが

噂は聞いた事があるわ。

お前の姉ちゃんが様子がおかしくなった

というのを見てもまあ

間違いなく本物の心霊スポットやろうなぁ・・

シンタニ君っ

お前の姉ちゃんの様子を見に行くか

俺らがまずは達磨亭に乗り込むかは

どちらが先になるかは解らんが

武市には俺から連絡しておくわ。

君らどっちか電話持ってるか?」

さすがにまだこの2人が携帯を持っている事は

無いだろうと思ったが2人共

ポケットから揃ったようにスマートフォンを

出す。

俺は最近のガキは~親の金で~

と思ったが今のこいつらに説教をするのは

さすがに酷だと思い聞いたのも俺だし

とりあえずは

「ほな

これ俺の番号やさかい

武市と連絡が取れたら

また電話するから

シンタニ君。

お姉ちゃんには少し待ってるよう

言うといてや。

それとな・・・

一応毎日風呂に入る時は

粗塩を一掴み湯船に

入れてから長めに入浴するように

しておきや~

まだお姉ちゃんがどんな状況かも

解れへんけど一応な。

何もせんよりはええやろ。」

2人は口を揃えて直立で

「あざ~す!!」

と元気よく俺に頭を下げた。

そんな様子を少し見ていた

俺を迎えに来てくれた陽子さんが

クラクションを鳴らす。

俺は陽子さんに気づき

苦笑いで少し頭を下げると

迫弟とシンタニに

「ほな

また連絡するから

すぐに何とかしたり

たいんやが俺今から

バイトやねんっ!

必ず連絡するからなっ」

と言い残し陽子さんの

赤い車に向かい走って行った。

車に乗り込み陽子さんに

「すんません。

陽子さんいつもいつも

お迎えに来て頂きまして。」

運転席でかなり短めの白色の

スーツ姿の陽子さんは笑顔で

「ヒデ君なら何処まででも

迎えに行くわよ~

ふふふっ

しかしヒデ君って予想通り

ああいう子達の先輩だったわけ?

あんまり後輩いじめちゃダメよ~」

と車を発進させながら今度は

俺が説教をされている画になる。

「ちっちがいますって~!!

あいつらはまあ同じ中学の

後輩ですが虐めてたんやなく

頼みごとをされてただけですってっ!」

俺は変な誤解をされたら困るが

本当の頼みごとの内容まで話すと

もっと話がややこしくなるから

とりあえずの誤解だけを解くために

そう言った。

「へ~そうなの~?」

多分信用していないと思う感じに

陽子さんが笑いながら頷いた。

(あ~もうっ!

迫弟次に会ったら耳引きの刑

に処す!!)

と思いながらまあ良いかと思い

俺は陽子さんと俺のバイト先

ロビンフッドがあるフォックスタウンに

向かった。

そして迫弟たちは・・・

赤い車に乗る大人の美女が運転する

車に黒づくめのスーツ姿で乗る

兄貴の同級生の先輩・・・

「なあ・・・

迫~

ありがとうなぁ・・」

と真谷はもう見えなくなった

木林が乗って走り出して行った

車の方を見つめながらやっと

口を開く。

「ああ。

良かったなぁ・・

思っていたより怖そうな

人じゃ無かったし・・・」

と迫も同じ方向を見つめている。

「うん。

しかしあの人

一体何のバイトをしてるんやろ?」

と真谷はまだボーッと見えなく

なった車が走り去った方から

視線を外せずに居た。

「ホンマやなぁ・・・

あんな美人とあんな

服着て何の仕事

するんやろ・・・」

率直にそう思う若い2人組であった。

⦅扉シリーズ 第2.8章 ロビンフッド 終わり⦆






俺は迫弟達と別れると

陽子さんの車で俺がバイトする

ロビンフッドというレディースBAR

に陽子さんがバイトするスナック楓のある

テナントビルに向かっていた。

道中、迫弟達を虐めているように

見えたと陽子さんに弄られながら

車で12~3分くらいの場所にある

テナントの駐車場に着く。

ロビンフッドは3階にあり

楓は5階にある為、3階で

エレベーターが止まると陽子さんは

エレベータの中から手を振りながら

俺を見送っていた。

俺はバイト先のロビンフッドのドアを開け

「おはようございますっ!」

と挨拶をしながら店内に入ると

既に来ていたマスターが

カウンターを布巾で拭いている。

俺は焦って年長者のしかも

この店のボスであるマスターに

下々の人間がする仕事などさせれぬと

思い率先してマスターの所へ駆け寄り

「マスター貸してくださいっ!

拭き掃除なんて僕がしますからっ」

と言うとマスターは

「おうっ!ヒデ君おはようっ!

今日はまたビシッと決めて~

しかし相変わらず真っ黒やな~

はははっ

ああ拭き掃除は俺がするさかい

ええよっ

ヒデ君はお客さん来るまで歌の練習でも

しておき」

とカウンター拭き交代を却下された俺。

「いや・・・

しかしボスにこのような

下働きさせれませんって」

「はははっ

ヒデ君は確か元陸上部あったか?

礼儀正しいなぁ~

きっと社会に出てからも

その姿勢を貫いてたら

君は出世すると思うよ~

あっでもね。

この拭き掃除もトイレ掃除も

この店は俺がするべき事やねん。」

マスターは手際よくカウンター拭きを

終わらせると布巾をカウンター内の

水道で洗いながら俺を見てそう言った。

「いや・・・

カウンター拭きもそうですが

トイレ掃除なんて俺しますって・・・」

俺は何でマスターがこんなに

掃除好きなのだろうと思い

不思議でその理由が知りたくて

少し食い下がってみる。

「ヒデ君ね~

今のその律儀な姿勢を崩さないのは

社会に出てから大事やけど

もしかしたら君のポテンシャルなら

サラリーマンは向かないかも

知れないから将来俺みたいに店持つか

もしかしたらもっと別の自営をするかも

知れんな~

もしそうなったら僕の事思い出して

欲しいんやけどなぁ

会社も店も家もそうやけど

掃除は特にトイレはな

そこの主が掃除するもんなんやで。

そうすることにより店なら繁盛するし

家なら金回りも良くなるもんなんやわ。」

マスターは真剣に俺に自ら掃除を

率先してする理由を教えてくれた。

マスターは今37歳で20代の半ばくらいまでは

住宅メーカーの営業をしていて

トップセールスマンであると聞いた事がある。

その後会社勤めをしているのが

バカらしくなったという理由で

この店を始めたらしい。

経験のある職種での独立をしなかったのは

元居た会社の連中と業界で顔を

合わせるのが嫌だったという理由らしく

今のような女性向けのBARにしたのは

話す事だけは元々好きであったから

人と話す仕事がしたかったから

らしい。

そしてどうせ話すならおっさんより

レディの方が良いだろうと言う安直な

理由らしいが今マスターが俺に

話してくれた事は今後の俺の人生に

大きくかかわるくらいの金言になったと

俺はこの時思った。

マスターの有り難い言葉も頂き

今日は先輩の27歳の浩二さんと

23歳の修二さんがまだ来ないが

先にお客様がやってきた。

浩二さんも修二さんも昼も勤めているので

出勤はいつも開店後になる事が多い。

俺はカウンター内から

「いらっしゃいませ~」

と笑顔で入って来た2人組の

30代前半くらいのレディと20代半ばから

後半くらいに見えるレディに

おしぼりを差し出した。

「あれ?

久しぶりに来たら

新しい子?

店長?」

俺から見て右側に

座ったかなりエレガントな

黄緑色のスーツに髪や

胸元にも金色のアクセサリーに

宝石まで付いている物を身に着けて

いる女性が店長に話しかける。

「ええ。

ミナコさん。

最近うちに入ってくれた

期待の星のヒデ君です。

可愛がってやって

下さいね。

ヒデ君こちらミナコさんに

ユリさん。

オープン当時からお世話に

なっているお客様やから」

とマスターが俺を紹介して

後ろからマスターの手と

美奈子というプレートが

かけられたマーテルの

キープボトルが

出て来た。

かなり慣れてきた年上のレディの接客も

こんなエレガント貴婦人系は俺の担当ではなく

いつもはマスターや浩二さんが相手してくれる

事が多いのでさすがに俺も緊張しながら

「あっ!

先月から入りましたヒデですっ!

ミナコさん、ユリさん

宜しくお願いします!」

俺は今日ここに来る前に

迫弟達が俺にしたように

直立不動でお辞儀をした。

ミナコさんは30代前半くらいの

エレガント美人でその横に座った

ユリさんは紺系のスーツをビッシリ

着こなし20代後半くらいか眼鏡を

かけた言い方は悪いがエロDVDの

女教師物に出て来そうな感じの方だった。

「凄く若そうに見えるわね~

ヒデ君。

店長~この子金の卵よ。

大事にしなさいね。」

ミナコさんが俺の挨拶を受け

店長にそう言った。

「よろしくね。ヒデ君」

その後初めてユリさんが口を開いた。

透き通るようなクールな声が

俺のツボだが今は目の前のミナコさんの

何とも言えない威圧感に抑えられ俺は

色気という名の霊障にかかり動けずにいた。

「おっヒデ君。

ミナコ社長のお目にかなった

みたいやな~

さすがミナコさん。

この子は僕も期待していますよ~

うちの店ではなく

もっと将来のヒデ君に

期待しているんですがね。」

マスターが色気という名の霊障にかかり

金縛り状態の俺を

助けてくれてミナコさんとユリさんの

水割りを作ってくれていたが

俺もマスターに何をさせてるんだと

正気に戻り氷を入れアイスピックで

水割りのグラスを掻きまわすと

おしぼりでグラスを拭き美女2人の

コースターの上に差し出した。

「お待たせいたしました。

ミナコさんって社長さんなんですか?」

俺はグラスを差し出すと同時に

そう聞いた。

「ええ。

親がそうだったから

私もそうなっただけでね・・・

別になりたくてなった

わけじゃないのよ。」

大きな瞳で見据えられながら

少しブラウンのカールした

髪先も黄緑色のスーツの

中の白のブラウスの中の大きく開く

胸元も全てが学生の俺には

刺激が強すぎる。

「ヒデ君。

ミナコさんはね。

若耶麻にある江戸時代から続く

老舗呉服店の社長さんの1人

娘さんなんやよ。

ラッキーなことにまだ独身やで

そしてユリさんはミナコさんの秘書。

この町にも店舗があるんやで~」

秘書・・・

ユリさんは秘書か~

そう言えば秘書っぽい!なんか!?

本物の秘書を知らない俺は

この後秘書と言えばユリさんを

イメージしてしまいそうに

なるくらいユリさんの秘書イメージが

強く頭に残りミナコさんは呉服店の

社長さんと聞きその秘書のユリさんとの

ツーショットの刺激に19歳の俺は

こんな2人を満足させる技

俺にあるか~よっ!と思い

「そうなんですね~

何かエレガントで知的な感じが

しましたものっお二人ともっ!

僕お二人のような大人の女性を

満足させれる技まだ未収得ですから

何か歌わせて頂きます。

ミナコさんどんな歌が好きですか?」

「ヒデ君なら

そこに立っていてくれて

いるだけで良いですよ。」

とユリさんは怖そうな見た目とは

裏腹に優しい言葉をかけて下さる。

「まあ私もそんなに

気を使わなくてもて

言ってあげたいんだけど

ここは少し苦労をさせて

あげようかしらね?

ヒデ君が産まれた年の歌を

何でも良いから聞きたいわぁ」

とミナコさんがいきなり

無茶ぶりをしてきた。

(うおっ・・・

おっ俺の産まれた年の歌・・・)

「産まれた年にできた

歌ですかぁ・・・

すみません。

ちょっと探してみますね。」

俺はカラオケのデンモクで

自分の産まれた年

1975年に出来た歌を探し

学校の音楽の時間に習った

なごり雪をみつけて歌い出した。

予想外に忙しくなるこの日

俺は最初からエンジン全開の

接客をしていた事を後で

後悔することになるのだが・・・

⦅扉シリーズ 第2.8章 ロビンフッド2 終わり⦆



ANIME RANKING アニメ・同人・コスプレ専門サイト
ミナコさんとユリさんの

前で俺が産まれた年の

昭和の名曲

なごり雪をなんとか歌い終えた。

俺は歌っている最中に

店に入って来てくれた

最近では俺が担当になっている

芳恵さんと幸子さんという

2人共バリバリの

キャリアウーマンである

OL2人組に

BOX席で接客する事になった。

ミナコさんには

「ヒデ君頑張りなさい」

と激励を頂き

ユリさんからは

「ヒデ君

歌凄く良かったです。

あなたの事興味あるから

今度は1人できますね」

とBOX席に移動するように

マスターに指示を受けた

俺がBOX席に行こうと

カウンターを出た時に耳元で囁かれた。

(うお~エロ女教師全開やんけ~

ユリさんの色気はマジでやばいっ!!)

プライベートでこんなシュチュエーションに

出会いて~などと

そんな事を思っていた俺ではあるが

今は悲しいが仕事中。

ロビンフッドのヒデであるから

興味を持たれオカルト好きの

3流大学生の木林博喜に

興味を持たれたわけでは無いのだと

図には乗らずに姿勢を正し

「恐縮ですっ

ありがとうございますっ!」

とお辞儀をしてミナコさんと

ユリさんの接客をマスターと

これもまた俺が歌っている最中に

出勤して来てくれた左官業の

仕事をされている先輩

浩二さんが来てくれたので

浩二さんとマスターが色気美女

2人組の接客をしてくれることになった。

俺は最近ヒカルさんに継ぎ俺目的で

来てくれるようになっている芳恵さんと

そのお連れ様の幸子さんが

先に座っているBOX席に

行き膝をつき挨拶をする。

「芳恵さん、幸子さん

いらっしゃいませ。

今日は仰って頂いていた通り

来てくださって僕もめっちゃ

嬉しいですよっ!」

マスターや浩二さんのように

きちっとした挨拶ができない

俺だがマスターはヒデ君は

それで良いとお客さんもそういう

若干砕けた所に初々しさを感じ

指名してくれてるからと

言ってくれていたので浩二さんから

挨拶の仕方も習いキチンとした

挨拶も出来るようになっていたが

俺は俺らしく通していた。

「きゃ~ヒデ君~

今日も可愛い~

別の人と仲良くしていたから

やきもちやいてたんやで~」

多分居酒屋で食事がてら

飲んできた後に寄ってくれて

いる芳恵さんがソファに座る

2人の斜め前の四角の椅子に座る

俺の袖を引っ張る。

芳恵さんは26歳のOLで保険の

仕事をしていると言っていた。

見た目からもう派手な感じの

今日も胸元が開いた白の半袖ニットに

水色のかなり短めのタイトスカートに

素足とこちらも色気全開なのだが

凄く積極的なお姉さまで実はヒカルさんと

この店で知り合ったらしいが

かなり仲が悪く俺は2人が同じ日に

店に来ないように上手く調整していた。

幸子さんは芳恵さんより2歳上の28歳で

銀行員。

学生時代の先輩後輩の間柄らしいが

もう結婚して3年になるらしいが

こちらは芳恵さんに付き合わされて来ているようだ。

性格は芳恵さんと正反対で酔って

乱れてしまう芳恵さんの保護者役のような

感じに見える。

1度芳恵さんがお手洗いに行き

幸子さんが1人の時に俺も気になって

いたので

「幸子さん

無理してお店に付き合わされて

いるんじゃないですか?

ご主人もいらっしゃるのに・・・

大丈夫なのですか?」

と店の営業的にはそんな事聞いたら

アカンやろという事を聞いてしまったが

その時幸子さんは

「ウチも色々あるからね・・・・

私も楽しんでいるし良いの。

ヒデ君って優しいのね。

ありがとう。」

と飲んでもいつも素面な

幸子さんがしっとりと

応えてくれたあの時の寂しそうな

表情が何だか凄く大人を感じさせられ

幸子さんに興味を持ってしまった。

しかし芳恵さんが戻って来ると

幸子さんも芳恵さんを立て

俺との会話を控えるのだがそれは

それで寂しくもあるが実際俺を指名

してくれているのは芳恵さんなので仕方が無い。

幸子さんはいつも保守的な服装で

今日も紺色のリクルートスーツ姿で

来てくれている。

俺は

(ご主人居るのに・・・

帰宅せずに仕事帰りに

そのまま店に

来てくれてるのかな?)

と思っていたがそこは

聞けずに居た。

俺は芳恵さんに

大人仕様とバッチリ決め込んだ

黒のスーツの袖を掴まれながら

お二人の飲み物を作っている。

「なあなあヒデ君~

ヒデ君って心霊スポット

とか行った事ある~?」

(何!?

心霊スポットとな!?

芳恵さんアンタこの

木林にそげなツボな話を

振れるレディであったのかい?)

と仕事中でないならこのような

口調で瞬時に返していたであろう

俺だが今は一応仕事中で

接客中。

そこは俺もわきまえて

「心霊スポットですか!?

あっはい・・・

一応大学の友達にそういうのが

好きな奴が居まして・・・

(内心では自分も好きやろ!?

と突っ込むがここは一応

話の流れ上食い付き過ぎるの

も良くないな。とりあえずは

芳恵さんの話を全て聞くべきと

判断した俺)

そいつ見た目はただの

ゴリラなんですけどね」

と俺は食い付きたい衝動をずっと

堪えながら話を聞く体勢を整える。

「ふふふっ

そのお友達見た目ゴリラ

なの関係あるの?」

俺の芳恵さんへの返答に

芳恵さんの隣に座っている

幸子さんが先に食いついてくれた。

「ハハハッ

そうそうっ!もうヒデ君

さらっという事が私らの

ツボにいっつも入るんやって!」

俺は芳恵さんに背中を

バシバシ叩かれながら

(芳恵さんの背中叩き

あのアホのアズサより

痛いんよな~

てかアイツ最近学校

来てへんけどどうしたんやろ?

くしくも芳恵さんの言う

心霊スポットの八龍に

行って以来来てへんのが

気になるな~)

俺はよそ事を考えながら

既に酔っていて力の

加減が出来ていないアズサ

以上の芳恵さんの

平手を背中に浴びながら

笑顔で芳恵さんと幸子さんの

手前にあるコースターに

ブランデーの水割りを

作り差し出した。

「それでね。

ヒデ君。

そのゴリラ君とは

どの心霊スポットへ

行ったの?」

(もしや幸子さん

かなりのオカルト好きか!?

俺の完全な独断と偏見やが

切れ長の瞳をした美人は

オカルト好きもしくは霊感女の

可能性が極めて大という持論があるか

らなぁ

芳恵さんのようなテンション高い系

の可愛いタイプはあのアホアズサと

同じで霊感無しの怖がりで豚に

追いかけられるくらいが籍の山やがな)

そんな失礼極まりない事を考えながら

いつもはしっとりと大人しく

お酒をたしなむ幸子さんの切れ長な美しい

瞳が今日はやけに輝いている事に

同じオカルト好きを見つけた気持ちになり

俺は仕事ぬきにこの幸子さんへさらに興味を

持ち出していた。

⦅扉シリーズ 第2.8章 ロビンフッド3 終わり⦆



ANIME RANKING アニメ・同人・コスプレ専門サイト
幸子さんが芳恵さんの横で

スラリと足を組みながら

少し前のめりになり俺に

質問して来た何処の心霊スポットへ

行ったのかと言う問いかけに

俺はここ最近ゴリラもとい

武市との行動を振り返った。

本来ならスカイハイツ鶴澤と

言いたい所であるが

あれは心霊スポットというより

ただのマンションで今も住人が

多数住んでいて俺の高校時代からの

武市との共通の友人の北尾が

霊障を受けた特異なマンションであるが

今は武市の叔母さんの甲田先生の

お弟子さんであるAYAさんという

一度はこの店に招き接客をしたい

美人霊能者により北尾の部屋に飾ってあった

絵画が原因で起きていた事と解り

完全には解決には至っていないが

とりあえずはスカイハイツ鶴澤自体は

心霊スポットでは無くなった。

となると俺が知っているではなく

行ったとなるとやはり

八龍か?

そう思い俺は

「そうですね。

僕が最近行ったとなると

八龍ですかね?

あの耳塚市にある

元は料亭旅館なのですが

大学の同じ科の選考の子が

僕の友人のゴリラに

連れて行ってと言ってきて

結局住所不定者まで連れて行くことに

なり最終的には5人パーティで

探検してきましたが」

俺が八龍に行ってきたことを

思い出すようにして話すと既に

酔っている芳恵さんは俺の背中を

バンバン叩きながら

「あはははっ!

もう~ヒデ君めっちゃ

おもしろいからっ!

何で住所不定者とか言うんよ~」

芳恵さんの攻撃力が

酔いと共に上がって来る。

これこそバッカスの力を借りた

バーサクという能力なのかい?

と思いながらも

今日はいつもの薄手の

黒のシースルー気味の黒の

カッターシャツで無くスーツなので

防御力はいつもより高めなので

まだ耐えれる範囲ではあるが

あのアホアズサが可愛く思えるほど

芳恵さんの張り手は痛い。

(そういや俺最近

マジで背中叩かれ率

高めやよな~)

そんなどうでも良い事を考えつつ

俺は既に空である芳恵さんのグラスに

これ以上背中叩かんどいて下さいという

念を込めながらバーサクの元を

注ぎ氷を足しマドラーで混ぜると

コースターの上に差し出す。

しかし俺の話にもっと食い付いたのが

多分俺の予想では切れ長瞳の霊感美女

もしくはオカルト好き美女である幸子さんが

足を組み替えながら

「芳恵ちゃんと同じく

私もそこ少し突っ込みたかったんだけど

ヒデ君っ八龍に行ったんだ~

ゴリラ君と・・・

どうだった?

面白かった?」

そう来るのかい!?

お姉さまっ!

心霊スポットに行って面白い?

などと聞いて来るのはかなりの

好事家である証拠である。

普通は怖かった?

とか何か見た?

とかでしょ!?

そうかい!そうかい!

幸子姉さまっあなたも

かなりの好き者のようで

と内心ほくそえみながらも

「そうですね~

まあ一緒に行った

メンツ的には面白く

なってしまわない

方が不思議というメンツ

でしたからまあ・・・

面白かった事には

変わりはないのですがね・・・・

ははっ」

芳恵さんはついに

酒がまわりすぎたのか

それともここに来るまでに

飲み過ぎていたのか

はたまた俺を叩き過ぎて

疲れ立てたのか今度は

幸子さんの腕に絡みつくように

なり寝てしまった。

幸子さんはそんな

芳恵さんの頭を撫でながら

視線は俺を見据え

「へ~

そう・・・

面白かったのね~

あのねっ

実は明後日の

土曜日の夜なんだけど・・・

私ねこの芳恵ちゃんと

後まだメンバーは正式には

決めていないんだけど

ちょっと余興でね

心霊スポットへ行って

みない?

という話になっているのよ~

1人は多分うちの弟を

連れて行くんだけど

それでね場所はヒデ君が

行った八龍か

それとも三滝町にある

達磨亭を考えていたんだけど

ヒデ君どう思う?」

やっぱりか~

やっぱりやんな~

てか八龍はアカンでしょ!?

余興で行くほどの

レベルちゃうからっ

あの変なジジイとかに

出くわしたらどんなことに

なるか・・・

それにあれ以来武市も体調悪い

みたいやしな~

アホアズサも学校け~へんし・・・

どないしたにゃろ?あいつ・・・

週末あいつのアパートに

乗り込んでみるか・・・

それでもう1つが達磨亭って

今日店に来る前に迫の弟が

言うてた所か・・・

う~ん・・・

どっちもモノホンやん・・・

達磨亭は迫の弟の友達の姉ちゃんが

霊障にかかってる感じやしなぁ・・・

俺は幸子さんがいくら

好事家でも危険と解っている

場所へこの霊感ゼロで霊的知識もゼロっぽい

芳恵さんと好事家ではあるが

霊感は未知数だが霊能力者という

事は無いだろうと感じる幸子さんに

その弟さんを行くように勧める事はできず

「もう1つは達磨亭ですか~

う~ん・・・・

僕が行った感じでは八龍はマジで

ヤバイ所やと感じました。

一緒に行ったゴリラは変な霊障を

受け今まだ苦しんでいますし

もう1人一緒に行った奴が

それ以来もう4日も学校に

来てないんすよ~

だから興味本位とか

遊び半分なら八龍は進めれないですよ~

もう1つの達磨亭は僕も行った事が

無いのですが・・・

その達磨亭の噂なら聞いておりまして・・・」

幸子さんがいつもより

真剣な表情になり

自分の久の上に寝かせていた

芳恵さんをそのままソファに寝かせ

芳恵さんや幸子さんが座っていた

向かい側のソファに移動し

より俺に近い場所で

膝と膝が当たりそうなほど

近づいて来る。

「うんうん。

八龍は危険か~

行きたかったけど・・・

でっ達磨亭はどうなの?

どんな話を聞いたの?」

表情は真剣だが目が輝いている

いつも美人だが何かオカルト話を

聞いている幸子さんはより一層

美しく見えるのは気のせいだろうか?

人は好きな事をしている時が

1番輝きかっこよくも見え

美しくも見えるというがこの人に

取ってのそれはオカルト話であるのか?

そう思うほど年上でしかも人妻であり

銀行員である幸子さんの京風の美しい顔は

店の薄暗い雰囲気の中

妖艶に輝いていた。

こんなに行きたそうなのに止め辛いな~

まあ行くのは勝手なんやけど・・・

これがむさい野郎なら勝手に行けなんやが

麗しきレディが危険に足を踏み込むのを

見て見ぬふりをするのは俺のポリシーに

反するからな~

「あっそれがですね・・・

丁度本当に今日店に

来る直前に聞いた話なんですが・・・」

芳恵さんが起きている時には絶対

しない事を幸子さんは興奮したのか

して来た。

幸子さんは俺の手を握りながら

俺を見つめて真剣な表情をしている。

「俺の同級生の弟の

友達のお姉さんが

達磨亭に行ったらしいんですよ。

それでその日から何かおかしな

感じになっているらしくて・・・

でそのさっきから話している

俺の友達のゴリラなんですが

そいつちょっと家柄的な事もあり

そっち方面に詳しくて

ゴリラを紹介して欲しいと

その達磨亭に行った子の

弟に頼まれましてね・・・

だから達磨亭もやばいんちゃうかな~

とは思うんですが」

いやいやいやいや・・・

幸子さん~

ちょっとは怖がって下さい~

何であなたそんなに嬉しそうなのでしょう~

いや今嬉しいのは俺か?

こんな美女に手を握られてるし・・・

ってそんな浮かれてる場合じゃなく

このままではこの人絶対行くでしょ!

幸子さんは俺の手を離すと

1人嬉しそうに何度か頷き

「そっかぁ・・・

ヒデ君ありがとうね

あっもし良かったら

土曜日ヒデ君

達磨亭について来てくれない?

芳恵ちゃんも喜ぶと思うし」

えっ?

あっうん。

まあその方がまだ

俺的には安心なんやけど・・・

あのアホのアパートに

行こうと思ってたんが土曜やしな~

バイトも休みやし・・・

う~ん・・・

幸子さんのナイト役の方が

絶体役得なんやけどな~

あのアホアズサもさすがに

このままほっとけんしな~

電話も出よらんし・・・

ホンマ世話のかかる女やで

「土曜日ですか~

めっちゃ行きたいんですけどっ

その日ですね。

さっき八龍に行ったメンバーで

学校来なくなった奴が

おるって言ったでしょ?

そいつの家に様子見に行こうかなと

思っていまして・・・

すみませんっ!」

「そう。

ヒデ君と一緒なら

心強いかなと

思ったんだけど・・・

何か色々な意味で強そうだしね

ヒデ君って。

強い守護霊に守られていそうだし

ははっ

気にしないで私も急に

誘ったからごめんね。

あっこれ私の電話番号。

渡しておくわね。

芳恵ちゃんには内緒ね。

私も今日でヒデ君の

ファンになっちゃったから

何か用があったらいつでも

かけてね」

幸子さんは俺に電話番号を渡し

らしくない強引な起こし方で

芳恵さんを起こすとお勘定を

済ませ帰って行った。

そして店の外まで芳恵さん肩を

貸しながら送りエレベーターに乗る

2人を見送ると

入れ替わりで俺をこのテナントまで

送ってくれたスナック楓で働く

陽子さんが入れ替わりで来たが

陽子さんも既に酔っていた。

《扉シリーズ 第2.8章 ロビンフッド4 終わり》




時間は午前0時を過ぎ芳恵さんと幸子さん

を見送った俺は入れ替わりでやって来た

陽子さんと先程、芳恵さん達を

接客したBOX席とはまた別の

2人掛けのBOX席に陽子さんを

迎え入れ接客をしていた。

ちなみにこの2人掛けのBOX席で

今俺が接客する事となってる

お客様はヒカルさんと陽子さんのみである。

「ヒデくん~

早く帰ろう~

ねえっもう上がり~」

あ~今日もかなりきてるな~

陽子さん・・・

マジかよ~

陽子さんがバイトする楓も

今日は忙しかったのか

酔っ払いのおっさんどもに

かなり飲まされたみたいで

ソファに座るなり大きく

足を組むが短めの白のスーツ

姿なのであるがパンツが見えそうな

程スーツの下が捲れ上がっている。

少し細めのヒカルさんとは違い

肉感的な陽子さんもまた魅力的では

あるのだが不幸な事に俺は今

仕事中なのである。

陽子さんの魅惑的な薄いベージュの

パンスト越しの美脚に酔いしれている

場合でも無いので何とかここに

いる間に酔いを覚ましてもらおうと

思いお酒を控えるように言っても

聞くわけはないので陽子さんの

ブランデーボトルからは殆ど

ブランデーは入れずにほぼ水である

水割りを作り氷も多めに入れる。

以前マスターは

「酔ったお客様のボトルを

多目に減らすために

濃い物に作り変えていく

奴は他の店にもおるけど

店の売り上げ的にそうしろと

指示するママやマスター

もいるけど

ヒデ君は自分の思うように

しなよ。

自分のしたくない事は

しなくて良いから。」

という教えを受けていた俺は

男なら酔ったレディにさらに

濃い目の酒を飲ませ売り上げを

上げようなどと考えるのはカス

以下の所業と思うので今俺は

マスターに言われた通り

【思うように】していた。

「陽子さん

今日は忙しかった

みたいですね~

ははっ

随分酔ってますけど

僕とゆっくり

飲みながら酔い

少しづつ覚まして

行きましょ」

「え~

私そんなに

酔ってないよ~

ヒデ君迎えに来たの~

さあ帰ろうっ」

「ははっ・・・

もう少しだけ付き合って

下さいよ~

ねっ後1時間30分で

お店終わりますからっ」

「ヒデ君が一緒に

居てくれるならそうする~」

陽子さんが隣に座る

俺の腕にしがみつくと

EかFカップくらいは

あるであろう豊満な

陽子さんの胸が俺の

右腕に食い込み

19歳の学生には刺激が

強すぎる役得を得るのだが

本当に仕事中であるのが辛い。

そして少しづつ超薄めのブランデーで

何度かお手洗いにも足を運んだ

陽子さんの酔いも覚めてきたようで

2度目のお手洗いから戻ってきた

陽子さんは俺とデュエットで歌える

程まで酔いも覚めてきていた。

「きゃ~

ヒデ君に会って元気出て

来たよ~私」

「ホンマですか~

ホンマいっつも

僕のラストのお客様で

来て頂いてすみません。

僕もラストが陽子さんで

めっちゃ嬉しいですよっ!」

「ホントにそう思ってるのかな~?

ヒデ君他のお客様にも

人気あるしね~」

陽子さんがまた推定EかFカップを

俺の右腕に押し付けてきながら

顔を俺の頬に近づけてくる。

うお~

こんな嬉しいシュチュエーション

仕事中ちゃうかったら最高なんやけどっ!

てかやっぱりまだ酔うてるな~

陽子さん・・・

「いや~

そんな事ないですって~

それにそんなに人気も

無いですよ~

俺1番新しいし年も若いから

それだけで得してる部分も

ありますからね~」

「良いよ~

私3番でも4番でも良いから~

ヒデ君と今日は一緒に居たいな~」

いやいやいやいや・・・・

アンタ今日ここに来るとき

俺の事説教してたやんっ

エライ態度が違うんすけど~

「まじっすか!?

俺はそんなんめっちゃ

嬉しいんですけど・・・

そうですね~でも

陽子さん今日は絶対

運転せん方が良いし

なんなら俺明日朝いちで

ここまで車取りに

来て陽子さんのマンションの

駐車場に入れときますから

今日は歩いて一緒に帰ります?」

「ほんと~!!

嬉しいっ!

ヒデ君と夜のお散歩

デートしたいかな~」

「うん。

ホンマそうした方が

良いっすよ。

免許3人分くらいの

免取くらうくらい

酔うてますから」

「え~!

もうっそこまでは

酔うてないでしょ~!!」

バシッ!

まさかの今日2度目の背中への

張り手。

ちなみに陽子さんから叩かれるのは

初めてであったが何だかだんだん

あのアホアズサの張り手が痛く無いのだと

思えて来るほど酔ったレディの張り手は

痛かった。

「いやいやっ

陽子さん酔うてほら~

力の加減もできんくらいに

なってますから~

ねっそうしましょっ!

俺がきちんと家まで

送って行きますから」

そうしてマスターのマイクでの

本日はありがとうございました。

から始まる閉店の挨拶も終え

気を使ってくれたマスターが

ヒデ君は陽子さんを送って

行きなさいと言ってくれたので

閉店作業を免除された俺はマスターと

浩二さんに深々と頭を下げ陽子さんと

エレベーターに乗りテナントを出た。

「は~外の空気は

やっぱり良いっすね~」

俺が腕を伸ばしながら

そう言うと

「そんなに長い時間

居たわけじゃないじゃないのに~」

もうかなり素面気味の陽子さんが

俺の伸ばして戻した手に手を組んで

来ながらそう言う。

さすがに25歳の年上のお姉様に腕を

組まれるとまだまだ19歳の小僧である

俺は陽子さんのスーパーボリューミーな

それこそ北尾が好きな太川ふみよ並の

胸の圧力も加味され俺の鼓動は激しく

高鳴っている。

「まっまぁ・・

そうですけどね~」

「あっヒデ君

私にこうされるの

嫌かな?

あのね・・・

さすがにこの国道

抜けて行った先って

この辺人が住んでるのか

住んでいないのか分からない

家とか小屋みたいな建物とか

ほら・・・

多分お墓もあったでしょ?

だから怖いからこうして

いて良い?」

陽子さんは学生時代は体大で

陸上の走り高跳びをしていたらしく

初めて会った時も陸上経験者同士

という事で話が弾み今に至るのだが

そんな陽子さんは長身で身長も165㎝

はあると聞いている。

ヒールを履き俺に腕を組んでいると

もう170㎝そこそこしかない

俺よりも背が高い。

それでも街灯すらろくにない

田舎道を怖がっている姿は6歳も

年上のヒールを履くと俺よりも背が

大きく見える陽子さんではあるが正直

可愛いなと思ってしまう。

「そんなん全然嫌ちゃいますって~

陽子さんみたいな美女にこういう

風に腕組まれて嫌がる奴はもう

それはホモですよっ!

ホモッ!

もしくはゴリラかメガネですわっ!

正常な男なら

みんな喜びますからっ」

陽子さんがさらに俺の腕に

押し付ける乳圧を上げてきて

「何か~軽い~

ヒデ君ってみんなに

そんな事言ってそう~

ってかホモは解るけど

ゴリラとメガネって何よ~

きゃはははっ」

「いっいやっ

ゴリラにメガネはあれですよっ

何となく口から出てしまったんですっ

あっでもそんな誰でもって事はないですよっ

俺がボディーガードするんは

美女限定っすからっ

それにホラッ

もし何か出て来ても

そいつが幽霊でも宇宙人でも

俺が蹴り倒して見せますからっ」

「はははっ

うそうそっ

冗談よ~

ヒデ君すぐに本気にするから

かわいい~

あ~でも幽霊は嫌~

宇宙人はもっと嫌かも~」

かっ・・

かわいいとな・・・

はぁ~

そりゃそうかぁ・・・

陽子さんのような経験豊富そうな

美女からすれば俺なんかまだまだ

小僧やよな~

そしてかわいいというワードに

若干のへこみを感じながら俺達は

国道を抜け陽子さんが言うように

人気も街灯すら無い本当に人が住んでいるのか

住んでいないのか分からないような旧家が

立ち並ぶ道に差し掛かって行った。

⦅扉シリーズ 第2.8章 ロビンフッド5 終わり⦆



ANIME RANKING アニメ・同人・コスプレ専門サイト
プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
扉裏口通過人数
スポンサーリンク
ランキング
にほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ
にほんブログ村 アダルトブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR