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扉シリーズ 第4章 明王眼内での出来事 『淫神淫魔』 第1話

【この話は扉第四章のタイトル明王眼の中で武市が翔子
さんに幽体離脱を持ち掛けられキッチンで話していた続きの
シーンです。武市が我が家の遥か上空でフラフラと呑気に
龍馬と戯れていた頃、果たして冨田家のキッチンでは魂が抜けた
武市と翔子さんに何があったのか!?気になっていた読者の方も
多かったと思いますがここではそのシーンを書かせて頂きます。
本編では第四章十六話の続きになります。】

私、変になったのかしら…?

今、目の前にいる十も下の弟のように思っている冨田武市君…

女性に対して免疫がない武骨な性格のこの子が、

突然目覚めた透視能力を持て余して、

この私の衣服を通して、

私の身体、生まれたままの姿を目にして、

困惑している…

それに激しく興奮している自分に気付いた…

こんな気持ちは始めてだ…

この子が私を異性として見ている事は知っている…

もし私がこの状況でこの子を刺激したとしたら、

この子はどうなってしまうのだろう?

今、私の姿を見て、この子の下半身はどうなっているんだろう?

そんな事を考えてしまうなんて、やはりどうかしている…

どうかしているが、どうにもできない…

私はまるで、自分の欲望に操られるように、自分の中の『女』を解放し始めている…

幽体離脱の話は嘘ではない…

幽体離脱は、極度のストレスや緊張状態から逃避したいという願望

が発生原因の一つと言えるからだ…

今、自分が何を話しているのかもわからなくなってきた…

私は欲望に操られ、スッとソファから立ち上がると、

俯向く彼の隣に座った。

身体を密着させると、

いつもより速くなっているであろう鼓動を感じる…

私も下腹部が熱くなってきている…

ダメ!ダメダメダメ!

私、完全に何かの気にあてられている!

必死に抑えようとしているのに、まるで歯が立たない!

私はするりと彼の首に両手を回し、彼の肩に顔を埋めた。

筋肉質な肩と、彼の心臓から伝わる鼓動が私の興奮を更に高めていく…

私は彼の少し大きめの耳元に唇を近づけると、女の匂いのする息を

吹きかけた…

その時、武市君の身体に何かが起こった気配がした。

私はハッと正気に戻れたが、武市君の様子がおかしい。

さっと身体を離して、

「ごめん!ごめんね武市君!私、どうかしてたみたい…」

私が今した事の言い訳をしようとした時、

武市君の身体がガクガクと大きくはないが、小刻みに痙攣している!

そして、変化した彼の眼がまた変化している!

瞳は金色のままだが、白目の部分が真っ赤に充血…いや、これは炎だ!

白目の部分がまるで太陽の表面のように燃えて蠢いている!

幽体離脱の前触れ?

いや、普通の人間のそれじゃない!

彼の痙攣はだんだんと大きくなり、

首が前後にガクガクと激しく震え、

それが止まったと思うと、

突然、口を大きく開け、

その口から何かが勢いよく飛び出した!

私の霊感が教える。

今飛び出したのは、武市君だ!

武市君の霊魂が、彼の身体から飛び出した!

その後、彼の身体はガクっとうなだれて、微動だにしない…

私の心臓は、私の知識からも経験からも導き出せない

異常な光景に激しい鼓動を刻んでいる…

私は彼の身体に触れようと、手を伸ばした…

ガシッ!

私が伸ばした手を、

うなだれたままの彼の肉体が掴んだ!

「ひっ!」

私はおもわず声を上げてしまった。

その手から、異常に大きなエネルギーを感じたからだ…

武市君の霊魂は飛び出したはず…なら、

今この身体に生命を与えているのは一体?

それに、このエネルギー量は一体何なの!?

普通の霊体じゃない!

人間の霊体からこんなエネルギーを感じるわけがない!

『ぐふ、ぐふふふ…』

武市君の身体から、笑い声が漏れてきた。

しかし、その声は武市君のものではなく、

気をしっかり張っていないと気絶しそうなほどの霊圧を発している…

『ははははっ、ぐわっははははは!!』

急に始まった高笑いに、一瞬意識が飛んだ…

はっと気を張って、かろうじて気絶は回避したが、

武市君の身体がバッと顔を上げた!

私は、失禁した…

その顔は確かに武市君の顔をしている…

しかし、目はまるで白熱化した鋼鉄のように輝き、

口からは有り余ったエネルギーが具現化したように、

星のような輝きを吐き出している…

更に、肌の色がみるみる赤みを増し、肌そのものが燃えているように見える…

『神』…

しかも、これは何かの霊体が神格化したものではない…

元々神として生まれた、本物の『神』だ!

『彼の門の渦に身を委ねて幾星霜…

此度の肉はしっくりくるぞ…

人の業がかくも予の玉体に馴染むとは…

どうやってこさえたのかは知らぬが、

進歩は見らるる也…』

彼の門?

渦?

此度の肉…?

頭の中に流れてくる情報の濁流で、

私は考える力を無くしてしまっている…

ただそこにある圧倒的という言葉ですら

余る超越的な存在に、声すらでない…

燃える瞳が私を見た。

『女…予の玉体に相対し、

正体を失わぬとは見上げたもの…しかし、

予の気にあてられて淫の気に流れたのが、

期せず予の玉体を渦より掬い出す形になったな…

ひとまず、誉めてつかわすぞ…』

何を言っているのかわからない…

私は濡れた下半身が気に成らぬほどに、

恐怖と絶望感に支配されていた…

『女、アレはもう帰らぬぞ?』

アレ?

私は少し自分を取り戻した。

アレ?

もしかして、武市君!?

『武市…そうだ、

この肉に宿りし者はもはや帰らぬ…

永劫に闇を漂うか、

星辰の導きあらば、

或いは来世を迎えるか…』

もう、帰らない…?

武市君が…死ぬって事!?

『汝等は生命の在り方が変わる事をそう呼ぶ…

しかし、神たる予の前には取るに足らぬ小事…』

と、取るに足らぬ小事…?

私は、うなだれ、言葉すら出なかった…

下腹部から込み上げる激しい怒り…

この神格に対する怒り…

私自身に対する怒り…

しかし、思った事に言葉で返してくる存在に、

私はその思いをぶつける事すら叶わないのだ…

『怒りか…人が神に対して抱くにはあまりに無意味な感情であるな…

しかし女よ?汝の願いを聞き届ける慈悲というものも、

神は持っているものと知るがよい…』

意外な言葉が出てきた…

慈悲?

もしかして、武市君を帰してくれる可能性があるって事なの?

『一度得たものは予の支配下…

如何様にでも処する事ができる…

しかし、汝の願いが叶うか否かは、

汝の力量次第…』

力量次第…

私が何かをすれば、武市君を帰してくれるって言うのね!?

でも、神に対して私ができる事って何…!?

『ぐわはははっ!

在るぞ在るぞ!

せっかく受肉したのだ、

肉の喜びを享受せずに何を喜びとするのだ?

女ぁ、予を満足させてみよ!

されば汝の願い、叶う事もあるかも知れぬぞ!?

ぐわっははははははは!』

目の前の神格の高笑いに意識が飛びそうになりながら、

私は決意した。

やらなきゃならない!

私はどうなってもいい!

武市君を帰してもらう為に、この神格を必ず満足させないといけない!

いや、させるのだ!

私は覚悟を決めた。

この武市君の身体をした神格の満足させよと言う

意味も理解できている。

これでももう既に29歳。

今までにそれなりに経験も積んできている。

私は今神に挑もうとしていた。

⦅扉シリーズ 第四章 明王眼内での出来事 『淫神淫魔』第一話 終わり⦆





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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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