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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン

扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン

私の名は色情霊のミノムシ。

生きていた時の名は仲間義男と

呼ばれていた。

私は44歳という若さでこの世を

去ったのであるが生きていた時は

耳塚南高校で古典の教師をしていた。

悲しいかなこの世を去るまで独り身で

あった私はお金を払ってという

方法でしか女性を知らずして運悪く

交通事故でこの世を去った。

しかもソープランド帰りに

興奮し過ぎた私は職場である

耳塚南高校に忍び込み

運動系の女子の更衣室から

様々な宝物を盗みそれを

守衛に見つかり車で逃亡の挙句

廃病院である耳塚労災病院へ

突っ込み死亡。

全く持って自業自得の私の

不祥事は学校側の計らいで

ただの交通事故という事にされ

死してまで不名誉を受けることは

無くなった。

思えば私の短い人生の終焉を

あのような形で迎える羽目に

なったのは私が初めて副担任を

持ったあのクラスのある2人の生徒が

原因の様に思える。

指導力無しというレッテルを張られて

いた私は43歳にして初めて副担任を

持たせてもらいその年は意気揚々と

やっと私にも教師としての道が開けて

いくのかと未来は明るい物だと思えるように

なってきた年であった。

そして同じ国語教師の水嶋恭子先生38歳と

付き合いだし半ば諦めていた結婚も出来るのでは

無いかと思い私は本当に今までになくやる気に

満ち溢れていた。

この時はまだ私たちはプラトニック。

恭子先生とは肉体関係は無かったが

毎日響子先生が作って来てくれる

お弁当を頂けるだけで私は幸せだった。

私が副担任となったクラスは2年7組。

担任は学年指導も務める指導力の塊のような

中辻先生。

私より年下ではあるが既に学校を支配するほどの

影響力を持つ体育教官室の覇王と呼ばれている御仁。

当の中辻先生を見ていればそう呼ばれるのも分かるのだが

それでも私の先輩としてのプライドは傷ついていた。

初めて副担任にして貰った事は喜ばしい事では

あるが何故年下の中辻先生の下に付かなくてはいけないのか?

そして事もあろうか教頭は私に仲間先生も中辻先生の

指導力に生徒を掌握する方法を見習いなさい・・・

と苦言を呈される始末。

しかし私は耐えた・・・

愛する響子さんとその日を迎えるためにそして

来年こそは担任を持ち行く末は国語科の教科主任に

そして学年指導から教頭、校長の道を目指すべく

遅咲きであろうとかまわない。

そう思っていた。

そして私は副担任となったあの恐怖のクラス

2年7組であの生徒達と出会う・・・

仲代伸也。

木林博喜。

あの覇王中辻先生をして悪童どもと言わしめる

恐怖の生徒達。

しかし覇王ともあろうお方が何故か

この2人にはいつも寛大な大岡裁きを下し

気にいっているようにも見えた。

そうか・・・

彼等を掌握する事により

クラスの調和を保とうとしておられるのか?

さすがは中辻先生。

そして私も早速プライドもかなぐり捨て

覇王中辻先生を見習い彼等には

時には厳しく時には寛大に接しようと

考えた。

そして運命の修学旅行・・・

修学旅行は新潟県へのスキー旅行の

2泊3日の旅であった。

愛しの響子先生はこの学年の国語こそ

教えてはいるが担任でも副担任でも無い

彼女は引率の教師としての同行はできず

寂しいが少しの間は会えない事となる。

1日目の夜・・・

消灯の21:00になり私は男子の部屋に

見回りに行った。

海野に冨田に持村達が斉藤,堀垣外と言った

女子たちと楽しそうに怪談話をしてたのを

注意したところにあの2人木林と仲代が

部屋に帰ってきた。

今までどこに行っていたのだろうとは

思ったが私は優しく

「冨田君たちも木林君たちも

そろそろ寝るようにね。

女子は自分たちの部屋に戻りなさい」

と注意をした。

斉藤由紀子に堀垣外綾子そして

時枝理美などは不満そうに部屋から

出て行き、せっかくのお楽しみを

邪魔した私は勿論悪者。

これも辛いが教師の務め・・・

そう思っていたが冨田に海野あたりは

素直に言う事を聞いていたが今帰って来たばかりの

仲代が信じられない事を呟く。

「ヨシオ、ケチ臭い事言うなや~

自分モテへんからって

こいつらの邪魔せんでもええやないか~」

そして相棒の木林が仲代に続き

「ヨシオ先生って何か

ミノムシに似てるよな~」

それは関係ないでしょ!

と私が言おうとした瞬間周りに

居た生徒たちが爆笑して部屋を出て

行った女子たちもが戻ってきて爆笑しだした。

そしてその日から私は生徒たちに

【ミノちゃん】

と呼ばれるようになった。

私は怒りに任せて木林が手にしていた

カード麻雀を取り上げ中辻先生に

報告した。

「仲間先生!

仲間先生があいつらを

指導してくれても

良いんですよ!」

覇王こと中辻先生は

教員用の宿泊部屋で

浴衣で胡坐をかいて

そう言った。

私はその中辻先生が身に纏う

覇気のようなオーラのような

威圧感でビクついてはいたが

年下の中辻先生にここまで

言われてだまっていられるはずもなく

愛する恭子先生との明るい未来のために

教師として出世を目指すと決めたことだし

再度、2年7組の悪魔、仲代伸也と木林博喜を

呼び出した。

「先生麻雀返して下さいよ~」

木林がふてくされたように言っている。

「ヨシオそもそもケチ臭いんよ~

河下がケツオならヨシオはケチオやな!

ぎゃははははっ!」

やはりこの2人は全く反省して

いないようだ。

そもそも私と中辻先生は何が違うのだろう?

私には中辻先生の様にあの身に纏う王の如き

衣はない・・・

あれがあればどんなに便利だろうと思う。

そして若いがこの2人には何だか中辻先生程では

無いが似たような衣があるようにも感じる・・・

だから私は舐められているのだろうか?

いやしかし相手は16歳の子供だ・・・

私の半分にも満たない若輩者にこの

仲間義男舐められるわけにはいかない・・・

「木林君。

これは修学旅行が終わったら

帰すからね。

仲代君も君たち2人は修学旅行で

してはいけない賭け事をした罰として

今から1時間ここで正座していなさい。」

「なんでやねんっ!

もうそれ先生にやるわっ!」

木林が立ち上がる。

「ホンマ、ヨシオ

話せんわ~!」

仲代も立ち上がりそのまま

部屋を出ようとしたとき

彼ら2人の足が止まった。

「うおっ!

せっせんせい・・・」

「もげ~!!

何で先生いてんすかっ!?

先生のことやから

てっきりもう酒飲んで

寝てるかと思ってたわ~」

木林と仲代が中辻先生の気力に

押されてかその場に座り込んだ。

「キバ~!!!

ナカダイ~!!!

座る~!!!!」

2人は既に座っていた。

「お前らがなんか

しでかすか心配で

先生おちおち

酒も飲まれへん~!!!!」

いや中辻先生それは・・・

心配やなかったら飲むという

事では・・・?

「ははははっ!

先生結局飲む気やないですかっ!?」

木林が笑いながら正座している。

「ぎゃはははっ!

先生それなら俺らが付き合ったるわ」

「アホガ~!!!」

中辻先生が木林と仲代の

頭を叩いた。

「いって~

冗談やないっすか~」

「先生さすがに

俺らも先生の酒まで

パクリませんって~」

「お前らが二十歳になったら

いくらでも付き合わしたる~

嫌ていうほど付き合わしたる

から覚悟しとく~!!

わかったら正座1時間~!!!

終わったら行ってよしっ!」

「はい・・・」

この後2人は素直に1時間正座してから

頭を下げ部屋を出て行った。

修学旅行で起こったこの事件が

きっかけでこの後私は生徒達から

ミノムシやミノちゃんと呼ばれるように

なり恭子先生からは威厳の無い教師は

結婚対象では無いとふられた。

そして私は元のソープ通いが趣味の

やる気のない教師に逆戻りして

例の深夜に女子更衣室に忍び込み

逃亡の果てに廃病院に突っ込み死亡する。

死んだ私は廃病院に居た通称院長と

呼ばれる爺さんに色情霊として

ミノムシという命名を受け今に至る。

そしていずれは恭子さんの元に行く予定では

あったが何分ソープランド以外は経験の無い

私は様々な所を地場にしてせっせっと美女を

犯し続けていた。

そしてまた私の前にあの男が立ちはだかり

私を足蹴にしてあのサンハイツ鶴澤を

追い出されたのだ。

私は本当に今度こそこの色情霊で居ることすら

無理だと思い死んだと思った。

いや十分

今でも死んではいるのだが存在そのものが

霊体である事すら許される程のダメージを

受けたが奇跡的に色情霊としての体は為して

いた。

気が付くと私は元の廃病院で院長の前で

寝ていたのだ。

『色情霊ミノムシよ・・・

お前を蹴れる人がいるとはな・・・

奴は何者なのだ?』

「ひゃっひゃいっ!

私が生きていた時

教師をしていた時の

教え子です・・・」

『ふむ・・・・

名は・・・?』

「キバヤシ・・・

確かキバヤシヒロキ

だったと思います・・・」

『ふむ・・・・』

キバヤシヒロキ・・・

か・・・

ミノムシよ・・・

主が助かったのは運が良かった

だけ・・・

あの男が真の力に目覚めて

いれば主など跡形も無く散華させられて

いたであろう。

今後の主の行動については

世もとやかく言うつもりは

無い。

あの男に復讐したくあの男に

ゆかりのある女人を喰うもよし

色情霊として長生きしたくば

あの男には近づかぬ事を世は

勧めるがそこは主の好きにすれば良い。

それではミノムシよ・・・

励めよ・・・」

そう言って院長は目の前から消えた。

私は院長の忠告も有り難かったが

この仲間義男を2度も殺した

木林を許せなかった。

院長が言うように奴のゆかりのある

女子を喰いながら奴には会わないように

細心の注意を払う。

そして耳塚南高校時代に教師である

この私をバカにしていた女生徒への

復習もまだであった。

そして恭子先生・・・

木林っ!

次は私のターンだよっ!

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン 終わり⦆


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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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