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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン5 西口真由佳の章2

私はアルバイト先の楓を

出るとエレベーターで3階に降りた。

3階にはお店が2件あり1つは

ロゼという女の子がお客様の

隣に座りお話をしながら飲むという

スタイルのお店ともう1つは私の

行先である女性客を男性がおもてなし

してくれるロビンフッドがある。

私の耳塚高校時代の同級生にして

陸上部の同僚でもあった木林君も

アルバイトをしていて彼は私の

バイト先の楓の先輩にしてお姉さん的

存在の陽子さんと仲良くしている

のでここ最近全く連絡がつかなく

なりお店にも出勤して来ない

陽子さんの事を聞く為に楓のママの

計らいで私はお店を早く切り上げ今から

木林君に会うためにロビンフッドのドアを

開けようとしていた。

カランカラン♪

ドアを開けると耳障りの良い

透明感のある鈴の音が聞こえる。

中を見るとカウンターに女性2人組の

お客様が居るだけでカウンター内に木林君と

マスターらしき男性にもう1人20代

後半くらいの男性も居た。

「いらっしゃいませ~」

3人の男性が私に声をかけてくれるが

何だかこういう店に1人で来るのは恥ずかしく

俯いてしまう。

「いらっしゃいませ。

確か・・・

楓の真由佳さんでしたよね。」

カウンターからマスターさんが

出て来られて私をエスコートして

くれる。

「あっはい・・・」

「今日はお1人ですか?」

笑顔で爽やかに私の前まで来て

手の平で店内を差し案内してくれる

仕草が凄く様になっていて

大人の雰囲気を醸し出していて

かっこよく思う。

やっぱり同級生の男の子達とは

違うなぁ・・・

感心しながら店内に歩を進めずにいる

私にマスターさんは

「以前は陽子さんと

ご一緒に来て下さいましたよね」

とさらに笑顔で声をかけてくれ

私も1歩2歩を店内歩を進めながら

カウンター内の木林君と目が合う。

「あっはい・・・」

木林君は笑顔でカウンターに座る

お客様と話をしながら私を見て

少し暗い表情になったのに私は気づいた。

私が1人で来ることが私の事を少しは

知る木林君からすれば私の行動らしく無いと

思ったのだろう。

そして陽子さんの事が原因でお店に来たと

察してくれたのかも知れない。

「それでは真由佳さんは

今日はカウンターでは無く

こちらで楽しまれますか?

少ししたらヒデ君を付けますので

それまでは私がお相手させて

頂いて宜しいですか?」

マスターに案内され私はボックス席に

座った。

「あっはい・・・・

ありがとうございます。」

マスターが一旦カウンター内に戻り

氷と陽子さんがキープしている

楓と言うネームプレートのかかる

ブランデーのボトルを持って来てくれた。

「楓さんのボトルですが・・・

まあ主に陽子さん用ですがね。

こちらでお作りしても

宜しいですか?」

マスターさんの手際の良さを同業者で

ある私は見本にしたいなと思いながら

見ていた。

「あっはい・・・

すみません・・・

それでは少し薄目でお願いします。」

私はボックス席の奥にバッグを置き

スーツの上着を脱ぎバッグの上に

かけようとするとスルッとマスターの

奥から手が伸びて来て

「お客様こちらで

おかけしますね。」

と木林君が私に真剣な表情だが

目だけが笑ったおそらく笑いを

堪えながら言いながら私の黒の

スーツの上着を半ば強引に奪い取った。

私も陽子さんの事があり少し気持ちが

重かったが笑いを堪える木林君を見ていると

私も何故か笑いを堪えるような感じで

「はい。

お願いします」

と言ってしまう。

するとマスターさんが

「ヒデ君。

カウンター様一段落したら

こちらのボックス席と

交代してね。」

と言ってくれた。

私も同級生の木林君をわざわざ

指名するのも恥ずかしかったので

マスターさんが私が木林君に会いに

来た事を察してくれたのか

有り難い配慮に無意識に

マスターさんに頭を下げていた。

しかも最初から木林君を付けられたら

カウンターにいるお客様に私が嫌な

感じに見えたかもしれないが

マスターさんがワンクッションを

置いてくれたことにより極自然に

指名もせずに目的が達成できることが

有り難くこのマスターさんは本当に

プロだなと感心させられる。

「真由佳さんは

こうして見ると

うちに来て下さる仕事帰りの

OLさんの様に見えますね。

黒のスーツが凄くお似合いですよ。」

マスターさんが私の前のコースターに

注文通りの薄い水割りを差し出しながら

爽やかな笑顔でそう仰った。

「えっ・・・

あっ・・・はい・・・

これ就職セミナー用に

作ったスーツですので・・・」

何故か緊張してしまいながら

答えてしまうのは私がまだ接客を

するのもされるのも慣れていない

事に他ならないからである。

「あっ真由佳さんは今

女子大生でしたよね?

それで就職活動ですか~

ビジュアルは完全に何処でも

採用されそうですよ~

清楚な感じが本当に素敵です」

こんな大人の落ち着いた男性に

仕事とは言えここまで褒められると

悪い気もするはずも無く私も

照れながら薄い水割りが注がれた

グラスに口をつけるペースも早くなる。

「いえ・・・

私まだまだ何もわかっていなくて

楓でも日々社会勉強をさせて

頂いています・・・」

そんな感じでマスターさんの大人の接客に

ドキドキしながら木林君を待っていると

私が店のドアを開けた時と同じ音が店内に

鳴り響く。

カランカランッ♪

「おはようございます~!!」

お店のスタッフの人が出勤してきたのだと

あまり気にせずにボックス席に座り

私のお尻に引っ張られ腰で折っていた

スーツのタイトスカートがかなり

上まで捲れ上がってきていたのでスカートの

裾を引っ張り座りなおしていると

「あ~!!

西口さんっ!?

西口さんやんっ!!」

私の頭の上の辺りで凄く大きな声で名字を呼ばれる。

バチンッ!!

するとカウンターからこちらに

出て来ていた木林君がその男性の頭を叩いた。

「お前声でかいねんっ!」

私も振り返りそのやりとりに注目すると

「あっ・・・

石藤君・・・?

石藤君もここで働いていたの!?」

「やっぱり~

こんな猫目美人は西口さんしか

居ないと思ってたけど・・・」

「ハハハハッ・・・

3人はそう言えば同級生だったね~」

マスターさんがそのやり取りを

見ながら笑顔で温かい目で見ながら

席を立った。

「あっマスターすみません。

代ります。」

木林君がマスターさんと入れ替わりで

マスターさんが座っていたテーブルの前の

四角椅子に腰を掛けた。

木林君に頭を叩かれていた石藤君は

マスターさんに肩を抱かれてカウンター内に

入っていき

「恵さんっ朝子さんっ

いらっしゃいませ~

来てくださっていたのですね~」

「あっケイスケ君~

今日も何やらかしたの~!?

早速ヒデ君に突っ込まれてなかった~?」

何だか楽しそうにやっている・・・

まさか木林君だけでは無く吹奏楽部で

私も1度高校時代に同じクラスになった

事もある石藤君にまで会うとは思わなかった。

先程までマスターさんが私を接客して

いた席に座った木林君は接客中のカウンター内で

居た表情とはうってかわって真剣な表情に変わり

私を見る。

そしてカウンター内の騒がしい声でかき消され

私にしか聞こえないくらいの小さな声で

「西口さん・・・

俺が恋しくなってきたんや

ないよなぁ?」

と真剣な顔で冗談を言うあたり

変わっていないなあと思い

少し吹き出してしまうが

「その方が良かったよ~」

と私も同級生が付いてくれた

事により少しリラックスしてきて

グラスも進み先程までのかしこまった

お行儀のよい姿勢は崩しボックス席の

ソファで足を組む。

木林君は仕事中なのでお行儀よくして

くれているのを見て高校時代からいつも

尊大な態度で同級生に接していた木林君に

少し優越感を感じおかしくなる。

「やよなぁ・・・

陽子さんの事か?」

木林君の表情が一気に曇ったのを

感じ一瞬浸ってしまった優越感も

一気に冷めて行き私は嫌な予感しかしなくなっていた。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン5 西口真由佳の章2 終わり⦆



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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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