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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン6 西口真由佳の章3

「うん・・・

木林君なら陽子さんと

ここまで一緒に

通勤していたくらいだから・・・

その何か知っているのかなと

思って・・・

私が連絡しても・・・

楓のママが連絡しても

携帯電源切ってるでしょ?

陽子さん・・・」

私は木林君が作ってくれた

2杯目の水割りが入ったグラスを

両手に持ち膝の辺りで持ったまま

木林君にいきなり本題をぶつけた。

木林君はやっぱりそうかという

ような表情を浮かべるといつもは

口数の多いのが特徴の彼が

しばらく無言でただ私の方を・・・

いえ・・・

私のさらに後ろ・・・

何も無い壁を見つめていた。

そして私はビクッとした!

木林君が高校時代から見せたことの

無い怖い形相で何かに激しく怒っている

ような表情でその壁を睨み付けた時

私の全身にゾクッとする寒気のような

悪寒が走った。

そしてまたしばらく無言で俯く

木林君に私は落ち着かずに足を組み替え

木林君の何に対して怒っていたのか

分からない怒りに震えて緊張していた。

木林君は私の膝のあたりにあった視線を私に

向け話し出す。

「西口さん・・・

陽子さんの事は・・・

その・・・

ここでは詳しく話せんのやけど・・・

俺今日店終わった後

陽子さんの所に顔出そうと

思ってんねん・・・

それで何か分かったら

連絡するから

今日の所はここでは

何も教えられんと言う事を

許してもらえんやろか・・・」

木林君は教えたいけど理由が

あり教えれないという様な

言い方をした。

教えないじゃなく教えれないのだと

私はそう理解するようにした。

こんな時なのに静香さんの言葉が

頭をよぎる。

「口を割らないのなら犯しちゃえ!」

静香さんのバカッ!もうっ!

私は勝手に顔が赤くなり

怖いくらい真剣な木林君に

対して無言で頷いた。

「それと・・・

西口さん・・・

あの・・・

俺の勘違いあったら

ごめんやけど・・・

最近、肝試しとか・・・

例えば学校の友達に

誘われて心霊スポットとか

行ったりした?」

えっ?

木林君が楓の茜ママと

同じ事を聞いてきた。

そんな偶然ってある?

私は1つの仮説を立ててみた。

私はそういった心霊系の話や

怖い系の話には全く興味も無ければ

知識も無いしだからこそ行く気も無い。

しかし行ってもいない心霊スポットに

同じ日に偶然で突然最近行ったかと

聞かれる事はおかしい。

おかしいからこそ茜ママとこの木林君には

そういう事を感じる力がある?

今まではそういうことを信用していなかった

私も今日この小一時間ほどで信用しそうに

なっていた。

そしてもしかしたら陽子さんにも関係があるのかも・・・

私に何らしかの悪い物・・・どう言ったら良いか

分からないが何かが憑いていてそれが原因で

陽子さんに悪影響を与えてしまったとか?

元々鈍感な私には何の影響も無いだけとか?

しかし普段されるはずの無い質問を

このような短期間に2人の人からされると

無性に気になったので私は

「行ってないよ・・・

あっでも木林君・・・

その・・・

木林君って何かそういうの

解るとか?

私に何か憑いてたりする!?」

と少し詰め寄る感じで聞いてみる。

そして気になるのは当然のことながら

怖いというのもあったしそれが

陽子さんが連絡がつかない事と

関係するのかもっと思った私は

木林君の返事を待たずにさらに

続ける。

「あっと言うのもね。

ここに来る前に実は楓のママにも

同じ事を言われたのっ!?

ねえそうなの木林君!?

私に何か憑いていてそれが

原因で陽子さんに何かあったとか!?」

珍しく必死な私に木林君は

一瞬苦笑いのような表情を

浮かべ片手で私を制するような

所作を取り落ち着けよと

言わんばかりに既に飲み干した

私のグラスをゆっくり取ると

口を開きだす。

「え~と・・・

あのな~西口さんっ

一気に言い過ぎっ!」

と笑いながら私の空いたグラスに

楓のネームプレートのかかる

ブランデーボトルからブランデーを

少し注ぐとミネラルウォーターを

多目に入れ氷を入れながら

木林君は話を続けた。

「まず・・・

ここに来た時の西口さんには

確かにムカつく霊が

憑いてたけど

今は大丈夫とだけ言っておくわっ

そこは気になるやろうから・・・

しかし楓のママさんも解るんやなぁ・・・

後な陽子さんの事なんやけど・・・

西口さんに憑いていたものが

関係あるというよりは・・・

俺からすれば何でそいつが

西口さんに憑いてたんか

不思議やねんけど・・・

その霊の正体はここでは

言えんから・・・

でも西口さんも

詳しく知りたいようなぁ・・・

そうやなぁ・・・

あのな・・・

もし西口さんこの後

時間大丈夫なら一緒に

陽子さんの所に顔出さんか?

陽子さん西口さんの事

可愛がってたし・・・

俺も連絡してから行くわけじゃなくて

飛び込み訪問みたいな

感じやから同じレディの

西口さんも居た方が

良いかなと・・・」

木林君が私の前にグラスを

差し出すために身体を伸ばし

そのまま私に近い位置で

私にしか聞こえないような

トーンで話してくれた。

「うん・・・

行く・・・

あっごめんね・・・

何か私・・・」

伸ばして居た身体を戻し

ながら木林君は

「いやいや・・・

ええよ・・・

こんな事言うてもな・・・

まず普通は信じれへん思ったから

話せんかんったんよ・・・」

木林君はそう言い私を

見ずに少し貰うなと言いながら

自分の飲む水割りを作り始めた。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン6 西口真由佳の章3 終わり⦆



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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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