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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン15 西口真由佳の章11

着物を着た霊の冷たい手の感触が

私の左足首から膝・・・

太ももへと這い上がってくる。

パンスト越しでもその感触は確かに

人の手であると解りしかし決定的に

違うのはその私の肌に伝わってくる

体温であった。

最初人肌にしては冷たいと私は感じていたが

それは錯覚であったようで暖かくも冷たくも無い。

体温が無いのだ。

感触はあるが温度が無いというおかしな

感覚あのである。

そのおかしな感覚が今私の左足の太ももと

右足のふくらはぎあたりに着物を着た霊と

軍服を着た霊から感じている。

私は腰が抜け動けなく陽子さんの部屋の

玄関口で尻餅をついたようにへたり込み

声も出せずに何もできずにいた。

いやっいやっ・・・

助けてっ・・・

お父さんっお母さんっ・・・

茜ママッ・・・木林君っ・・冨田君っ・・・

私は心の中でありとあらゆる人に助けを

乞うが無情にも更に次から次へと陽子さんの

部屋のお手洗いの中のブラックホールのような

黒い渦の中から現れる霊が私に迫る。

着物を着た霊がついに私の下腹部に手をかけ

パンストをはぎ取るように破りだした。

その後ろから来る学生服を着た霊も私の

左足首を掴み私は今3人の霊に下半身から

迫られ気が狂いそうな精神状態に陥っていた。

そして私の太ももから下腹部へ手をかけてパンストを

はぎ取った着物を着ている霊が私のスーツの上着も

引きはがすように脱がせる。

陽子さんの姿に仲間先生の姿・・・

それに陽子さんの部屋のお手洗いの黒い渦・・・

そこから次々と出てくる信じがたい幽霊達・・・

私の精神状態はもう抗う気力を失いほぼ

無抵抗のままパンストを引きはがされスーツの上着も

脱がされたその時・・・

式神と書かれた楓のママに貰ったお守りが

引きはがされた私のスーツのポケットから

飛び出て銀色の光を放ちながら宙に浮いていた。

えっ?

あれは・・・ママから貰った

お守り・・・

『なななな・・・

何かね?

それは・・・』

楓の茜ママから頂いたお守りの

光と仲間先生の声で放心状態で

動く事すら諦めていた私の精神状態は

蘇り引きはがされたスーツを再び手に取り。

足にまとまりつき私の下腹部に下着の上から

手を当てたり太ももを気持ち悪い顔で舐めて

いた霊達から距離を取ることができた。

はぁはぁはぁ・・・

私・・・

何を考えてんだろっ

諦めてどうするのよっ

まだ外で木林君と冨田君が私を守る

為に戦ってくれているのに・・・

それに私が諦めたら陽子さんはあのまま

なのよっ

真由佳のバカッ頑張りなさいっ!

西口ファイトッ!

最期に私は自分で自分に言い聞かすように

耳塚南高校時代の陸上部の同僚を応援する

時の掛け声を心の中で自分に浴びせた。

私は私にスーツの上着のポケットから独りでに

飛び出たように見えた宙に浮く銀色に輝くお守りを

眺めながら手で床を押し身を後ろへ後ろへと引きながら

私にまとわりついていた霊たちから距離を取っていく。

霊たちに仲間先生は宙に浮き銀色に輝くお守りに

気を取られ皆お守りを眺めている。

するとお守りはさらに輝きを増すとお守りの袋の中から

小さな正方形の半紙のような紙切れが数枚中に飛び散り

半紙は宙で独りでに形を変えていきそれぞれが勝手に

折られて行きなんと驚くことにその全てが折り紙で作った

織鶴の姿になった。

「わぁ・・綺麗・・・」

私が無意識にそう呟いたのはその織鶴全てがそれぞれ

別の色で輝いていたからである。

赤色、橙色、黄色、黄緑色、青色、藍色、紫色

まるで虹のように見えるその鶴たちは一斉に

私にまとわりついていた霊たちに襲い掛かるように

飛んでいく。

えっ?

わぁっすごいっ・・・

すると鶴たちに見とれていた霊たちは鶴に身体を

射貫かれて散りゆく花のようにその姿を消して行った。

そして3羽残っていた紫色と青色と緑色に輝く

鶴たちは陽子さんの部屋のお手洗いめがけて飛ぶと

お手洗いの中にあった黒い渦の中に吸い込まれて行き

黒い渦は消え陽子さんの部屋のお手洗いはただの

お手洗いに姿を取り戻していた。

私はその光景に見とれながら助かったと思い力が抜けていったが

まだこの部屋にはもう1人問題になる人・・・

いや元人が居ることをその元人の声により気付き

現実に戻る。

『わわわわ・・・

私の下僕達を~!!

西口さん~良いパンチ持ってるじゃないか~

え~?

許さない~許さないよ~

君にはこの陽子さん以上の

快楽地獄を与えてあげるからね~』

「そっそんなっ・・・

そもそも仲間先生が私に

酷いことをしようと

したんじゃないですかっ!

それにこのお守りに

こんな力があったなんて・・・

私は知らなかったのですからっ!

もうっ・・・

もう怒りましたよっ!

私も・・・

許せないのはこちらの方ですからっ!」

お守りのお陰で本当に助かった。

私はこんなお守りを持っている楓の

茜ママは只者では無いと思いながらも

本当に茜ママには感謝していた。

そして理不尽極まりない勝手な事を言う

仲間先生が本気で許せなかった。

陽子さんをあんな目に合わせそしてまた

私にまで酷いことをしようとする仲間先生が

許せなくついにキレてしまっていた。

『ほう?大人しい君にしては

言うね~さっきのような術式を

まだ隠し持っているのかね?

はたして院長の御力(みちから)を

賜うたこの私にもそれが

通用するか試してみるかね?』

仲間先生が真っ白い粉を振りかけたような

全裸の姿で私に近づいてくる。

キレて意気込んでは見たけど正直

私に幽霊をどうこうできる力など

あるはずなく私は仲間先生に負けないよう

直視するしかできなかった・・・その時

ガチャンッ!!

私の真後ろにある陽子さんの家の玄関のドアが開き

私の背中に当たった。

「きゃっ!いたい~」

驚いたし痛かったがこの方向から開くドアが

何を意味するかを瞬時に悟った私は今まで堪えて

いた涙が一気にあふれ出て来てドアから入ってきた

人に思わず抱き着いてしまっていた。

「え~ん・・・うっうぅ・・・

怖かったぁ~」

「西口さん・・・

さっきの啖呵外まで聞こえてたでっ

よう言うたっよう頑張ったな・・・」

私の頭を撫でながら木林君がそう言ってくれる。

「ごめんな~西口さん・・・

こっちもトラブルあってな~

俺らの手袋2つともお釈迦になって

そもてよ~それで手こずってしもたんよ~」

木林君の胸の中で抱かれる私の肩を叩きながら

冨田君がそう言う。

『ききききき・・・・

きききききき・・・・

きばやし~!!!!!!!!

もっもげ~!!!

おっおのれっおのれっおのれっ!!

きっきさまっあの私の下僕達の大群を

相手にここまでくるとはっ・・・』

仲間先生が先ほどとは違いかなり取り乱している

相当木林君に嫌な目に合されたのだろう。

尋常じゃない怯え方をしていた。

私は木林君からそっと離され冨田君の大きな

背中の後ろに居場所を移されていた。

その大きな背中の後ろで私は冨田君が

前を向いたまま囁くような声で私にだけ

聞こえるよう話す言葉を聞く。

「こらっ!!このクソムシッ!!!

おのれ陽子さんに何したんじゃこら~!!

今日は八つ裂きじゃすまんからなっ!!」

木林君がズカズカと部屋の中に入っていき

仲間先生を威嚇している。

その間に冨田君が私に何か伝えたいようだ。

「西口さん・・・

木林はああ言っているけど・・・

正直俺ら今打つ手無しやねん・・・

俺が持ってきた塩も手袋も

もう無くてもしヨシオが何かして

きても俺らやられるがままになるしか

ないんよ・・・」

冨田君が低く太い声でそう呟く。

「えっ・・・

そっそうなの・・・」

「それで確認なんやけど・・・

西口さん、俺が渡した塩って

まだ持ってる?」

「あっ!?

忘れてたっあるよっ

使うの忘れててまだあるっ!」

私は冨田君に貰っていた

甲田先生仕込みの粗塩を使うのを

忘れていてスーツのポケットにしまい込んで

いたのを思い出した。

「良かったぁ・・・

じゃあ作戦言うから

良く聞いていてなぁ・・・」

冨田君は仲間先生から視線を外さずに

依然木林君が仲間先生を口で挑発する

中、私に作戦を伝えると言いさらに声の

トーンを落とした。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン15 西口真由佳の章11 終わり⦆


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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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