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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン18 ゴリラと持村

昨夜は木林に呼び出され陽子さんという

木林がバイトをするロビンフッドの

お客さんにして俺の同級生である

西口真由佳さんのバイト先の先輩でも

ある人を助けに行き帰宅したのは明るく

なってからであったので俺は目が覚めたのが

午前10時を回ってからであった。

しかも自力で起きれた訳でもなく

母親の

「武市!!アンタ何時まで寝る気やっ!

アンタ大学生になってからほとんど

学校に行ってないやんかっ!

そんなんあったらお母さん

高い学費払ってまで大学に行かさん

かったら良かったわっ!」

というごもっともなオカンの目覚ましで

俺はバッドモーニングを迎える。

昨夜陽子さんのマンションから帰る途中に

4人分の飲み物を自販で買ってくれた

木林から貰った俺専用のコーヒーを俺は

飲むこともかなわずに帰宅後すぐに布団の

上で力尽きていたので俺は目覚めのコーヒーとして

頂くことにする。

「しかし・・・

あの仲間先生がなぁ・・・

・・・・

・・・・」

俺はコーヒーを飲みながら昨夜起きたことを

振り返っていた。

ここ最近の俺と木林の周りに起こる度重なる霊障の

多さは異常である。

北尾の絵画・・・

八龍・・・

そして陽子さんのサンハイツ鶴澤に

ヨシオが現れる・・・

しかも色情霊が本当に生きた人間を

犯せるなんて俺も知らなかった恐ろしい

事実まで突き付けられる。

昨夜は俺の叔母の塩があったとはいえ

半ば木林が気合で強引にヨシオを撃退したが

ヨシオは散華していないだろう。

そしてヨシオは何故か異常に西口さんに

執着心を抱いていた。

確かに・・・

男なら皆、西口さんみたいな可愛い子となら・・・

そういうことを成し遂げたいと思うのは

当然であろうが・・・

「お前は彼女の元教師やろっ!」

俺は独り言のように大きな声で叫ぶと

1階からオカンが

「武市うるさいっ!」

とお𠮟りを受けたので俺は最近様々な理由から

学校をさぼりがちになりオカンからの風当たりが

強いのを感じオカンの言葉に悪寒を感じ

居心地の悪い家から行く当てもなくとりあえず

出かけることにする。

「今更こんな時間から学校に顔出してもなぁ・・・

どうせ木林も普通に来てないやろうし・・・

そういえばあっちゃんも八龍以来

学校に来てないって木林や酒井さんが

言うてたけど大丈夫なんかなぁ・・・」

俺は八龍へ俺、木林に大学の同級生の酒井霧子に

高校時代から大学も同じの斎藤アズサそれに

自称心霊研究家にて元俺たちが通う耳塚南高校の

教員の増井先生の5人で八龍という心霊スポットを

探索に行って以来1度も会えていない斎藤アズサのことも

気になっていた。

俺はそんなことを考えながら昨夜起きたことも思い出したり

し最近この町周辺でしかも俺や木林に直接的や間接的に

関係する人間に霊障が降りかかり過ぎではないのか?

と疑問に感じながらふらふらあてもなく歩いていた。

俺は腹が減ったので俺の家から真っ直ぐ歩くと5分ほどで着く

ファミレスのゲストにでも飯を食いに行こうかと

歩いているといきなり後ろからクラクションを鳴らされる。

プップ~!!

なんやねん。

そんなに幅とってないやろっ

と思いそれでも自分の体格は

誰よりも自覚している俺は

心のどこかで少し悪い気持ちになり

溝にはまりそうな程端によるが

更にクラクションは鳴る。

プップ~!!!

なんやねん。

ゴリラは公道を歩くなという

警告音かと思い俺はそのクラクションを

鳴らす車の運転席を見る。

白いワンボックスカーに乗った

その男は俺に手を振り

「おおっ!冨田~!!

冨田やろ!?

その独特な背中っ

やっぱり冨田やんっ!!」

男は俺を知っているようだった。

男は白のカッターシャツにネクタイ。

その上から作業着を着ていて社会人の

ように見える。

作業着の胸の所には【王阪電力】と刺繡があり

どうやらあの大手電力会社の社員のようだ。

そしてその男の顔を思い出す・・・

「あっ!?お前?モツかっ?

持村!!」

「なんやお前たかが半年会わんだけで

この俺を忘れてたと申すんけ?」

この独特なしゃべり方。

バッタのような面長な顔。

話しているだけで笑気に襲われる

こんな面白い奴は俺の耳塚南高校の

同級生の持村を置いて他に非ず。

我が耳塚南高校出身者の進路は

進学と就職が半々の割合で居るが

持村は学年屈指の成績を誇りながら

進学はせずに超優良企業の王阪電力に

就職し俺たちより一足早く社会人として

地域に貢献していた。

その持村が仕事中ではあるが今は外回りで

外出中とのことで俺に助手席に乗るように

即してきたので俺も久々の友人との会話を

求め奴の車に乗り込んだ。

久々に会う持村は高校時代と変わらず

【アホ】であったがやはり一足先に

社会に出ているだけあって少し落ち着いた

雰囲気も醸し出していた。

「なあ。冨田~

お前は大学に入り彼女というものを

作ったりはしてないんけ?」

「あっあ~ん!モツよっ!

お前その質問は俺にするべき

質問ではないという事を

社会人なら察するべきやろっ!」

俺は痛いところを突かれるが持村も

俺のこの返しが欲しいからこそ投げかけて

きた質問であると思い俺も奴の期待通りの

反応で答えてやった。

「あはははっ!

お前ほど期待を裏切らん男も

稀よっ!さすが冨田っ!」

「うむ。

俺も彼女を作りたいことには変わりは

ないのやが中々機会に恵まれんのよ。

そういうお前はどうなんよ?」

俺は持村が気を利かせ車の中の灰皿を

開いてくれたので禁煙車ではないと

知り煙草を1本取り出し火をつけながら聞いた。

「ああ。実はよ~

会社の3年先輩の人と3か月前から

付き合ってんよ~」

聞いてくるはずだ。

持村は自分に彼女が出来たことを俺に

話したいがために先ほどの質問を俺に

したのに違いない。

違いないはずだがもっと嬉しそうに話しても

良いはずなのだが何故か持村の表情は暗かった。

「モツよ・・・

その話を聞くにはこの俺に

お前の彼女の友達を紹介するとかの

土産付きでないと酷とは思わないのか?」

浮かない表情の持村に最近その彼女と

上手いこといっていないのかとも思ったが

上手いこといっていようがいってなかろうが

彼女の居ない俺に比べれば数百倍いや数千倍

マシであろうと思い俺は持村に詰め寄ってみた。

「ああ・・・

勿論そうしてやりたい気持ちは

あるんやけどな・・・」

高校の時からいついかなる時もハイテンションの

持村にしては本当に浮かない表情だ。

恋煩いとは片思いの者のみがなるのでは

ないのだなと思い俺は少し気を使いながら

「何よ?彼女とはうまいこといってないのか?」

とこんな相談を受けた経験など無い俺はどんな

顔をして聞いて良いか分からずに今すぐにでも

木林に電話してライフラインのテレホンを使わせろ

と思いながら煙草の煙を窓ガラスの外に吹き出し

ながら持村の顔を見ずに聞いた。

「う~ん・・・

うまいこといってないかぁ・・・

とは少し違うんかなぁ・・・」

いつも持ち前のボキャブラリの豊富さと

知識の深さから明瞭に物を述べる持村

らしからぬ歯に物着せぬ言い方に俺は

一体持村と彼女の間に何があったのかと

恋は持村の頭の回転の速さすらスロウ化

するのか?

それとも持村の知識すらドレインするのか?

と思いながら

「らしくないやないか?

その彼女はお前をそこまで

骨抜きにするほどの美女だと

いう事は十分分かったから

この哀れな生き物にも彼女の

友人をプリーズやろ?」

俺は王阪電力に勤務する年上の

美女と知り合えるならここは

しつこくプッシュと持村の悩みなど

それに比べれば取るに足らずと思い

木林に言われたお前は押しが足らんという

アドバイスに徹し持村に食い下がる。

しかし木林が言ったのはきっと

対女性にであって友人に紹介せよと

押すことではないと思ったが

王阪電力の社員の女性を紹介して

もらえるチャンスとなればそれすら

小さなことである。

「うん。

そうやなぁ・・・

いや実はよ~

俺の彼女・・・

神尾美智子さんていう

入社3年目の先輩なんやけど・・・

仕事もできるし・・・綺麗でな・・・

年齢は大卒で入社しているから今24歳

なんやけど・・・

その彼女が最近変やねん・・・

鬱とも違う・・・

俺が行っても真面に会ってくれへんし・・・

会社にもけーへんしでな・・・

電話にも出んし・・・

しつこく家に行って顔は見れたんやけど・・・

目の下のクマがひどくて・・・

別人みたいになってたんよ・・・」

俺は無意識に昨夜の陽子さんのことを思い出していた。

いやしかし・・・

そう何人もそんな事に・・・

しかし持村の彼女の神尾さんが

普通に病気でないのなら何らしかの

霊障の可能性しか考えられないと

瞬時に直感が働いた俺は今日俺が

大きく寝坊しあの時間にオカンに悪寒を感じる

叩き起こされ方をしあの道をふらふら歩き

持村に出会ったのは偶然ではなかったのかも

知れないと思い持村を茶化すのを止め少し

話しを真剣に聞くために持村をゲストに誘っていた。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン18 ゴリラと持村 終わり⦆



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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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