2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン19 ゴリラと持村2

ゲストの喫煙席で俺と持村は

昼食を取ることにした。

周りにいる王阪のおばちゃん連中が

井戸端会議の会議室にゲストを

使っているので俺たちの会話の声も

自然と大声にならざるを得ない。

俺は和風ハンバーグランチと持村は

イタリアンハンバーグランチを

食べ終わりドリンクバーの2杯目を

飲みながら持村の彼女の話を聞くことにした。

「モツよ・・・

お前はその彼女に最後に

あったのはいつや?」

持村は両肘をテーブルに付き

その上に顎を乗せながら

少しの沈黙の後

「まともには会えたわけや

ないんやが・・・

玄関先から彼女を・・・

最後に見たのは・・・

一昨日や・・・

実は今日も俺この後

ちょっと電気代を滞納している

人が居てそのお客さんの所に

顔出したら後は直帰の予定

あったさかい彼女の家に

会えんかも知れんが行こうかと

思ってたんやがな・・・

会えんというより・・・

会っても訳のわからん事を

言いながら謝るだけなんよ・・・

そのあと発狂したりいきなり

泣き出したりで・・・

冨田よ~

彼女実家が王阪やないから

親御さんも近くにおらんし

こんな場合は俺が病院に

無理やりでも連れて行った方が

ええんかいの~?」

俺は最初に持村の話を聞いた時から

持村の彼女の神尾美智子さんが

かなりの確率で何らかの霊障にかかって

いるのではないかという予感が今は

確信に変わってきていた。

持村は彼女は仕事もできるし綺麗で

と説明してくれていた。

王阪電力に入社して仕事も出来る人

となると普段はかなりテキパキとした

キャリアウーマン風の女性をイメージ

させる。

おそらくはアホだけど知的レベルの高い

持村と会話が合ったのでお互い何らしかの

小宇宙(コスモ)を感じ合い付き合うことに

至ったのであろう。

そんな彼女が突然人が変わったようにおかしく

なり会社にも来ない。

持村の言うようにもしかしたら精神的な病に

おかされている可能性もある。

しかし持村の話では仕事で悩んでいたそぶりも無く

彼女としても持村という彼氏ができて3か月目・・・

彼女の居ない俺には想像はつかないが一般的に見て

恋人ができて3か月目くらいとなると幸せの絶頂に

あると思われるし彼女には精神的に病む理由が見当たらない。

「モツよ・・・

それも必要かも知れんが・・・

1つ質問なんやが・・・

お前の彼女・・・

美智子さんか?

最近どこかの心霊スポットに

行ったり肝試しでどこかに行ったりは

していないか?」

持村はハッという表情になり

「あっ・・行った・・・

と言うか俺と一緒にやけど・・・

先々週の末にデートした時に

飲んだ帰りに戯れに耳塚労災病院

お前も知ってるやろうが俺らの

母校の近くのあの廃病院な?

中も入れるやんか?

そこに2人で行ったんやけどな・・・

ってお前彼女がおかしくなったのは

それが原因と申すんけ!?

俺は何もないのによ~」

持村は隣の席で野菜の値段が急騰している

事を大声で愚痴りまくる王阪のおばちゃん

達に負けないように声を張りながら真剣に

聞いてくる。

「うむ。

申すんよ。

仕事も上手いこと行っていて

お前という彼氏が出来たばかりの

一見幸せに見える彼女が何らかの

精神的な病にかかっているよりは

余程確率が高いと申したいがな。

モツよ・・・

それを確かめる為にやなぁ・・・

お前がこの後、行くであろう彼女の

住んでいる所へこの俺を連れて行って

くれへんか?」

「おっおうっ!

それはかまわんがっ!

お前にはもし彼女がおかしく

なった原因が耳塚労災病院へ

行った事が原因だとしたら

それが解ると申すんか!?」

「申す。

実はお前や耳南の友人たちには

木林を除いて黙っていたんやが

俺の叔母はあのテレビとかに

出てる甲田福子やねん・・・

それで俺はどうやら叔母の血を

色濃く受け継いでいるようでなぁ・・・

もしお前の彼女がお前が言うような

症状になっている原因が何らかの

霊障なら会えばわかるしもしかしたら

その原因を取り除けるかも知れん。

俺が無理なら出来る人に頼むことも

可能やし・・・

それになモツよ・・・

そんなもんもしホンマに霊障で

病院へ連れて行ってみ?

彼女なんの病気でも無いのに

症状が症状やさかい鍵付きの

部屋に閉じ込められ軟禁されること

間違いなしやで。

叔母はそういう人が良くいて

何度も助けてやったと俺は聞かされてるからな。

ほかならぬお前の彼女をそんな目に

合わせられんやろ?

お前の彼女の友達も紹介して

もらわなあかんしな。」

持村は細い目を見開き見開いても

まだ細い目を輝かせながら

「そうかっ!お前あの甲田福子さんの・・・

ホンマやっ!それで病院なんか行こうものなら

軟禁確定やんけっ!

ありがとうっ!冨田っ!!

恩に着るっ!ぜひ頼めるかっ!?

彼女が良くなったら彼氏のおらん

友人なんぼでも紹介するよっ!そんなもんっ!

本当なら助からんかもしれんところを

救ってもらえるんやからなぁっ

あぁ~!!マイゴッドッ!!

今日冨田に会わせてくれた

主に感謝申すよ~!!」

持村の何らしかの神に対して

主という不遜な呼び方をする

辺り持村の持村たるゆえんであるが

高校時代の親友の彼女がもしかしたら・・・

いやほぼ確実に霊障であるのに捨て置けるはずが無い。

こんな話を木林にして俺がスルーしたと

奴が知ったら俺の耳は千切れる程

引っ張られること間違いなしである。

耳を引っ張られる事が頭をよぎり

奴も助っ人に呼ぼうと思い俺は店を

出たら木林に電話をする事を考えていた。

ゲストは持村が貧乏学生に払わせる

なんて社会人のすることとちゃうからなあ

と豪気にいつもの奴に戻り俺の昼飯代まで

払ってくれた。

俺はさすが一流企業に勤める社会人は違うな

と思いその一流企業に勤める美女の彼女を

紹介してもらうためにも持村の彼女を救って

やらぬばと思いながら持村の車に乗り込んだ。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン19 ゴリラと持村2 終わり⦆




コメントの投稿
非公開コメント

プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
扉裏口通過人数
スポンサーリンク
ランキング
にほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ
にほんブログ村 アダルトブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR