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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン20 源二と茜

時は少し遡り

武市が持村と出会い持村の

彼女の神尾美智子の住む

マンションへ向かう前日の話。

西口真由佳達が陽子を連れ出し

サンハイツ鶴澤から離れていくのを

見ている男が居た。

「キバちゃんに冨ちゃん・・・

あのゼロをあんなに早く壊しちゃうとはね~

彼らの潜在能力は相当なものだね~

しかしいくら甲田の塩を足にかけたからって・・・

最後のあれは違うだろ?

あれは・・・

一体なんだったんだ・・・

冨ちゃんはともかくキバちゃんにまで

あんな力が潜んでいたとは・・・

本人は気付いていないだろうが

あの銀色に輝く足はコントロールが

できれば神格に匹敵する力を発揮

できるね~

良い子を見つけたものだよ。」

真由佳たちが立ち去るのをサンハイツ鶴澤の

4階の踊り場から見下ろしている男。

GENS,BARのマスターにして武市と木林を

八龍の謎の老人の呪詛から救ってくれた

武市の叔母、この国屈指の霊能者である

甲田福子の兄弟弟子、伊田源二である。

しかし、そんな伊田にすらその存在を

悟られずに真由佳たちを見守っていた存在が

もう1人居た。

「見に来ていたのなら

助けてあげれば良かったのに・・・

相変わらず冷たい人ね・・・」

伊田の後ろから声をかける女性。

伊田は悪霊を見るような眼差しで一気に

警戒モードに入り振り返り霊圧を仕込んだ

アイスピックを上着の内ポケットから抜くが

声をかけて来た相手の顔を見てその手を止める。

「何だ・・・

君かい・・・

相変わらずはどっちだい?

この俺の背後に気配を消して

立つのは変わらないね~茜」

「元妻の声も忘れたの?

私にそんな物を抜こうとするなんて

酷くない?源二さん

フフフッ

それとも気配も感じさせないくらいの

相手から襲われるほど何か悪いことでも

しているのかしら?」

女性は真由佳のアルバイト先のママ

神宮寺茜。

元は伊田茜で伊田源二の妻であった

女性である。

彼女は伊田と肩を並べると2人で階段を

降り出す。

「君の声を忘れるわけないだろう・・・

済まないね・・・

さっきまでこのマンションに湧き出てきた

者達を排除していた・・・

そうか・・・

ハハハッ君も人が悪い。

数が思ったより少なかったのは

2階から下は君がやってくれていたのかい?」

「ええ。

あなたと一緒よ。

真由佳ちゃんは大事なスタッフよ。

それに陽子ちゃんもね。

陽子ちゃんの事に気づけなかったのは

あたなと違い美弓の事から逃げていた

報いかしら…私も平和ボケして

感が鈍っていたのよ・・・」

話しながら階段を降りる元夫婦は

何で離婚したか分からないほど仲は

良さそうに見える。

「君は逃げてはいないさ・・・

現にあのお嬢ちゃんは救われた

じゃないか?」

「私じゃないわ・・・

ヒデ君とそれにヒデ君のお友達の

あのゴリラのような子が頑張ったからよ。」

「しかし

あのお嬢ちゃんに式神を

持たせたのは君だろ?

あの式神が無けりゃ俺は

あの空間に飛び込んでいたかも

しれないぜ。」

「ええ。

どうしてもあの子は

守りたかったら・・・

しかしヒデ君にあんなに力が

あったとは・・・

それにあのゴリラのような子

あの子何者・・・?

あの子の中には・・・

美弓と同じ・・・」

「ハハハッ

ヒデ君とはキバちゃんの事かい?

彼の源氏名かい?

しかしゴリラとは酷いが上手いこと

言うね~

彼は甲田の甥っ子さ・・・

そして茜、お前の察する通りの子だよ。」

「ヒデ君はヒデ君よ。

うちのお店の守り神みたいな子なんだから。

ロビンフッドに彼が居てくれて

ホント助かるわ。

えっ…あの子甲田さんの?

そう・・・それなら納得ね。

彼に関係あるのかしら?ここ最近の

この町全体の悪い者の異常な増殖も・・・

それとも・・・あなた・・・

源二さん私に内緒で何かしてる?」

伊田は少しの間無言になり2人が1階に着くと

「この町の今の状態はね~

ある者たちが故意に穴を開けていっているのさ。

このマンションのようにね・・・

そういう場所がもう数か所この町周辺に

出来ている。

そして私だが・・・

私が何をしようと全ては美弓の為さ。

それだけはお前には解っていて欲しいね~」

「・・・・

そう・・・

分かったわ。

私も・・・

源二さん、美弓の為になることで

私に出来る事があればいつでも言ってね。

私はもう逃げないから。

もう失いたくないのよ・・・

真由佳ちゃんも、陽子ちゃんも・・・

美弓も・・・

それにあたなも・・・

だから今この町に起きている事から

目を背けないわ。

だから今話せないのならまた

話せる時が来たら私にも教えてね。

それじゃあ・・・」

そう言い神宮寺茜は車に乗り込んで行った。

車に乗った後の茜を見送りながら

伊田は一言


「ありがとうね。茜・・・」

と寂しそうな視線を送りながら呟いていた。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン20 源二と茜 終わり⦆





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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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