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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン21 ゴリラと持村3

俺はゲストの駐車場で持村の車に

乗り込むとスマートフォンを取り出した。

「モツよ。

もし俺の予想が当たっていた場合の

事を考え・・・

お前の彼女がその・・・

霊障にかかっていた場合に

訳の分からんパワーの持ち主で

非常に役立つ男を助っ人として

呼びたいのやがかまわんか?」

持村は車にエンジンをかけながら

元々細い目を見開きながら俺を見て

「その訳の分からんパワーという

ワードには色々突っ込みたいところ

やが今の俺はそんな心境ではないことを

許してくれ冨田。

美智子さんの為になるならどんな御仁でも

ウェルカムなんやが時に冨田よ?

その御仁は何処まで迎えに行けば良いのや?」

持村は助っ人を呼ぶことは了承したことを

前提に話す。

こいつが自分の彼女の所にここにいる

俺以外の第三者を連れて行くことにとやかく

言うような器の小さな男でないことは付き合いの

長い俺には解っていたが念の為に聞いておきたかった。

「うむ。

今から電話をするんやけど

お前もしっている男さ。」

持村はまた細い目をさらに見開くが

細い目であることには変わりなく

高校の時から俺はこの持村の表情を

見るたびにただならぬ笑気に襲われるのだが

俺は持村のこの表情が好きであった。

「なんとっ!

俺が知っている男という事は

耳南の同級生であると申すんけ!?」

持村の独特な話し方に笑気に当てられ

陸上部を引退以降、強い笑気に当てられると

耐久力の落ちた俺の腹筋には些か厳しいが

ここはぐっと堪えて

「申すんよ。

ほなかけるで・・・」

持村が放つ笑気に当てられていた

俺は多くを語れるほど口を開けずに

極力少ない言葉で持村に返しあえて

助っ人の名も言わずにそいつに電話をする。

しかし助っ人の携帯電話は

10回ほどのコールの後

留守番電話に繋がってしまった。

「珍しいな・・・

奴が出んとは・・・

もしかして予想に反して

大学の講義に出席か?

いやそれなら出るか奴の場合・・・

まだ寝てるか?」

俺が独り言のようにそう呟いていると

すぐに俺のスマートフォンに着信

そして木林と着信通知の表示がされる。

何かに手を煩わせされていて出れなかったので

あろうが律儀にもすぐさまかけなおして来たと見える。

「しもしも~」

俺は相手が木林と分かっていた時点で

奴からの着信には二分の一の確率で何らしかの

ボケを仕込むのだが今回は何も思いつかずに

普通にもしもしをさかさまから言うにとどまった。

「おいっ!武市か!

おもんないボケ聞かせるために

かけてきたんちゃうんやろ?

どないしたんやっ俺も

さっきまで運転中でよ~

と言うのもなアズサ学校来てへんやろ?

それで気になってあいつが今1人暮らし

しているゴールデンレジデンス蜘蛛取って

マンションまで行く途中あったんよ~」

電話がつながり俺がしもしもの4文字しか

発していないのに木林はそのしもしもに

これだけの言葉を矢継ぎ早に返す。

やはり何か急いでいるのだろうと思っては

いたが理由は同級生の斎藤アズサ。

あっちゃんが学校へ来ていないことが理由らしい。

ちょうど今彼女の事が心配で自宅まで様子を見に

行く途中との事だ。

こうなると助っ人は頼めんかぁ・・・

何かあった時に俺が全く想像しない思いつかない

訳の分からん発想やパワーで難局を切り抜けれる

木林は霊能力者では無いが頼りになる男であった

だけに少し残念だが仕方が無い。

それにあっちゃんの事は俺も気になっていたので

木林が行ってくれているのなら安心である。

彼女が学校に来ない理由は俺や木林が学校に【行かない】

理由とは全く違う理由であるだろうから余計気になる。

「俺はまだしもしもしか言うてないのに

お前しゃべり過ぎよ~」

と持村に受け蓄積していた笑気と木林の早口で

5㎝くらいの尺に20㎝くらいのものを一気に

ねじ込むような話し方に俺に蓄積された笑気が

爆発してしまい笑いながらとりあえず突っ込んでしまった。

そしてそのあとで本題に入る。

「いや・・・そうやなぁ

確かにあっちゃんの事も気になるよな~

実はお前が学校をさぼり暇をしている

ようであればな。

着いて来てもらいたい案件があってよ~

お前今蜘蛛取か?あっちゃんゴールデンレジデンス蜘蛛取

なんてマンションに今住んでるんやな~ほ~う。」

と俺は一呼吸入れると電話口の木林と隣に居る

持村が一気にしゃべり出す。

「そうなんよ~あのアホ一向に学校に来んし

LINEの返事すらせんしよ~」

とは木林。

「ゴールデンレジデンス!?蜘蛛取!?

冨田そこやぞっ!そこっそこやっ!俺の

彼女が今住んでいるのはっ!?」

俺は聖徳太子様では無いが何とか2人分くらいの会話なら

同時に聞き理解できたみたいであっちゃんが学校に来なく

なってから木林のLINEにすら返信していない事。

それとさっきまで黙っていた持村が発した言葉が何より

大事であった。

何とどういう偶然か、いやこれはもしかしたら俺や木林に

取っては必然なのかもしれないと思うほどの事である。

何と俺が霊障かも知れないので様子を見に行こうと思っていた

持村の彼女の神尾美智子さんの住むマンションと俺たちの同級生で

今も同じ大学に通い木林の彼女?のような女子の斎藤アズサが偶然

同じマンションに住んでいる。

そして持村から聞いた彼女の様子が変という事。

あっちゃんが学校にも来なくなり木林からのLINEにすら

返事をしないという事実。

偶然か?

もしかしたらあっちゃんや持村の彼女が住むマンションも

昨夜行った陽子さんのマンションのように特大の巣になって

いるのでは?

俺はさっきまで蓄積した笑気が一気に冷めて行き自分の

想像と予測で寒気すら覚えていた。

しかしこうなれば行く場所は木林と同じ。

向こうで奴と会ってから詳しく話そうと思い俺は木林に

「木林っ!とりあえず偶然やが俺らも目的地同じみたいやわっ!」

と電話越しに伝える。

「なんやて?

ホンマかっ!?

てか今そこに誰かおるんか?」

「ああ。

お前のよく知っている男よ。

お前はもうすぐ着くんか?

ちょっとあっちゃん所行く前に

会わせたい男と話しておきたい

事もあるからちょっと駐車場で

待っててくれよ。」

「なに?誰やそいつは?

あぁ・・・

まあええわ。俺もあと5分ほどで

着くから先に駐車場で待ってるわ。」

「ほなまた後で。」

俺は電話を切ると持村は既に

車を発進させていた。

俺の会話を聞いていたであろう奴は

行き先を言わずとも持村の彼女に

斎藤アズサが住むゴールデンレジデンス蜘蛛取を

目指していた。

ハンドルを握る持村が

「冨田~助っ人はキバかぁ?

それに美智子さんが住むマンションに

住んでいるあっちゃんてあの水泳部の

あっちゃんか?」

「ああ。

聞いていたとおりよ・・・

それにもしかしたら

あっちゃんもなんらしかの

霊障にかかっている可能性がある・・・」

「なんやてっ・・・

そりゃもしそうやと

したらマンションが悪いんちゃうんかよ?」

持村でなくてもそう思うだろう。

俺は持村に対し首をかしげながら

持村と一緒にゴールデンレジデンス蜘蛛取を目指した。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン21 ゴリラと持村3⦆



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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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