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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン28 浮遊霊VS武市&持村2

鍵はかかってはいなかったが一応ノックはする。

コンコン

コンコン

やはり反応は無くインターフォンにも応じない美智子さん。

「出んか・・・」

冨田が低く呟く。

「まぁ・・・

ここ最近はいつもの事や・・・

入ろか・・・」

俺は少し引きつった顔で冨田にそう応えた。

俺はノックにもインターフォンにも応じない

美智子さんの部屋に入るため玄関のドアを開けた。

美智子さんの部屋の玄関は玄関からリビング、その先の

寝室が見えないようトイレにお風呂場が横並びにある

廊下の向こうに可愛いネズミの王国のネズミのカーテンが

吊るされている。

俺はドアを開けた瞬間、部屋の中が電気がついていないに

しても異様に暗く感じた。

暗く見えたのではなく暗く感じたのだ。

これは、ここに来る前に木林に蹴り倒された鍬を持つ老人や

エレベーターの前で冨田に殴り倒されたボロの男が見えた感覚に

近い感覚で暗く感じているような気がした。

「冨田・・・

何か暗ないか・・・?」

俺は不安になり冨田に聞いてみる。

「まさか・・・

この部屋か!?

モツ速攻美智子さんの

様子見てこい!?」

「えっ!?」

さっきまでドンと構えていた

冨田らしからぬ急かすような

口調で俺にそう言った。

「あっあぁっ・・・

美智子さん~お邪魔します~

賢二ですっ」

俺は玄関先で靴を脱ぎトイレ、バスルームを

横切りネズミのカーテンを開けリビングのドアを

開けた。

!!!

なっなんとっ!!

リビングのドアを開けるとテーブルの向かいにある

ソファに白のワンピース姿で寝ころぶ美智子さん。

そしてその美智子さんの頭の上で美智子さんを

ジーと眺める全裸の肌が異様に白い少年。

美智子さんのお腹を撫でている老婆。

美智子さんの腕にしがみつくスーツ姿の中年オヤジ。

そして美智子さんの足を取り舐めている口の裂けた若い女。

俺は驚き声も出なかったが後ろから来た冨田が

「モツッ!モツっ!!

しっかりせいっ!!

やるぞっ!

美智子さん大量に憑かれてるっ!!

追い払うぞっ!!」

そういって冨田がドカドカ部屋の

中に入っていくとまず美智子さんの足を

舐めていた口裂け女を手袋の嵌めた手で引きはがすと

壁の方へ向け投げる。

女は冨田に握られた頭から順に胴体、足へとかけて

散るように消えていく。

俺はその冨田の動きを見て我に返り冨田に続きリビングの

美智子さんが寝ているソファへ向かい美智子さんの手に

まとわりついていたスーツ姿の中年オヤジを手袋の嵌めた

右手でぶん殴る。

「おらっ!美智子さんに何してんねんっ!このオヤジッ!」

ガシュッ!

俺の右フックは綺麗にオヤジの側頭部をとらえた。

すると小気味の良い音と共にオヤジの霊は直撃した側頭部から

胴体、下半身とシュワシュワという音と共に消えていく。

冨田が美智子さんのお腹を撫でていた老婆を同じように

引きはがし壁に投げると老婆も冨田に掴まれた頭から順に消えていく。

後はこの全裸の子供だけやと思い俺は子供にナックルとは

多少心が痛んだが仕方ないと思い拳を振り上げた。

するとその全身白づくめの全裸の少年はのぞき込んでいた

美智子さんの顔から視線を俺に向け大きく口を開くと

その口の中は闇・・・

まさに闇の様に見えた。

口の中は少年の口の中である。

そこまで範囲は広くないはずだ。

子供ではなく大人だとしても人間の口の広さなど

たかがしれている。

しかし俺には少年の口の中はどこまでも続いている

深淵の闇の様に見えた。

『ルルルルルルル・・・・』

少年は開いた口からこの世のものとは思えぬ

声を発した。

いやこれは人が発する声ではない音だ・・・

しかも脳に直接響きその音を聞いていた

俺は意識が遠のいて行く。

「ゲホッ・・・くっ・・・

モツっ!そいつアカン奴やっ・・・

いけるかっ!?」

冨田も胃の辺りにダメージを受けたのか明らかに

この少年の音により何らしかのダメージを受けたようで

胃の辺りを抑え込み咳き込んでいた。

「あっあぁ・・・

とっ冨田っどっどうしたらええねんっ!

何かこめかみや耳のあたりがやたら痛いんやけど」

冨田はリビングの床に膝をつき腹を抑えながら

「モツッお前は耳やこめかみにくるタイプか・・・

その子供は他のカス霊と違うようや・・・

お前動けるんあったら手袋でどついてくれっ

俺霊感強いからさっきの音のダメージもお前より

デカいみたいや・・・」

冨田はかなり苦しそうに声を無理やり絞り出し俺にそう伝えた。

「おっおうっ!」

俺はふらつく頭を意識を集中し正気に戻し白い全裸の子供に

近づいた。

少年はまだ口を開けたままでその中の闇を見ていると

俺自身が今にも闇に引きずりこまれそうな気になる。

冨田がアカン奴言うくらいかやら・・・

このガキよっぽどアカン奴なんやろのう・・・

俺がそう思いながら近づいた時

『ルルルルルルルル・・・』

なっなんとっ!

少年の開いた口からまたあの音が鳴り響く。

俺は立っていることもままならなくなりその場に

ガクッと膝をつき頭を抑えて動けなくなってしまった。

「ゲホッゲホッ・・・

なんやこの子供っ・・・

おいっ!モツッモツッいけるかっ!」

冨田が俺を気遣い声をかけてくれているが俺は冨田の声に

応える余裕すらなく口から言葉を発しようとしたらこのまま

意識をどこかへ持っていかれそうな気がしてただ意識を

繋ぎとめるためだけに神経を集中していた。

すると

「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」

ソファで寝ていた美智子さんがさっきまで目は開いていたが虚ろな表情で

俺たちに気づきもしないでいたのに突然大声で悲鳴を上げた。

ちょっっちょっ・・・美智子さん・・・

俺の脳には美智子さんの悲鳴もあの少年の口から発する音と同じ

ダメージを与えられるような気がする。

「マ・・・マジか・・・」

冨田も胃に同じように美智子さんの悲鳴によるダメージを受けていたようだ。

「やっぱり・・この部屋・・・」

冨田がリビングの入口のドアの方を向き怯えたような声で

ドアと蹲る俺を交互に見ている。

なんと・・・

リビングのドアの前には4体・・5体・・・おそらくは

それ以上の老人や女性、子供の霊たちが這いながら部屋に侵入しようとしていた。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン28 浮遊霊VS武市&持村2 終わり⦆



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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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