2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン31 決意 

木林が斎藤さんの部屋に来てから奴が語った事は衝撃の事実であった。
木林が何度も何処にぶつけたら良いか分からない振り上げた拳を
何度も振り下ろしながら語った内容では、信じがたいことだが
まずは生きている人間を犯せる幽霊が居る事。

幽霊を殴れる方法があるのだから、幽霊側から
生きている人間側に触れれる事ができる霊たちが居ても
おかしくはないか・・・

俺はその部分に関しては、今日不思議な手袋の力を
借りたとは言え、自分自身の身で体験した事であるから
納得はした。

そして木林が何度も拳を振りあげては下ろしを繰り返しながら
語った事は、今日俺と冨田が美智子さんの部屋で白い全裸の少年の霊を
始め湧き出てくる大量の霊たちと戦っていた時、横の横の斎藤さんの
部屋では斎藤さんが幽霊に犯されていたとの事・・・

俺は不謹慎にも今、このリビングの向こう側で寝ている斎藤さんが
幽霊に犯されていた事を、無意識に想像し同級生の在られも無い姿を
思い浮かべ首をブンブン左右に振りながらイメージを振り払う。

そして木林がここからは怒りを抑えながら俺を直視できないのか
奴が外していたサングラスをかけてから俺を直視しながら言う。

「おいおい・・・
キバよ~俺が太陽のようにまぶしいのか?
それとも何や、俺はそこまでまだ剥げてもないやろ?」

あまりにも深刻で突拍子もない話にこのコンビが俺の
知っている高校時代の2人らしからぬ重苦しい空気を作るので
俺の方から耐え切れずに冗談を挟むがやはり俺も冗談を
言えるテンションでは無かったようで声が震えていた。

しかし俺の冗談を冨田が拾ってくれた。

「モツよ・・・
お前はいける・・・
危ないのは俺や・・・」

冨田は口調こそ真剣であったが
それは今の会話の流れであると
頭皮の事を申しているようであった。

すると木林がさっきと同じ真剣な口調で

「ああ・・・
武市は確定や・・・
浜吉に続く第二の犠牲者に
なることは間違いない」

ぷぷっ・・・やはりこいつらは
変わらんな~と俺も高校時代と
変わらん2人に吹き出しそうになったが
木林がその後続けた本題が俺の脳天を
金槌でいや鉄球でぶち殴られたほどの
衝撃を与えた。

「いや・・・モツよ・・・
ゲーハーの事は明日で良いからさ~」

俺は何で今になって標準語やねんという
ツッコミを入れるタイミングを木林の真剣さ
に押されて入れれずに

「そのな・・・
美智子さんのことなんやが・・・」

俺は胡坐をかいていたが正座しなおし木林に向かった。

木林はソファで寝かされている美智子さんをちらりと見る。
おそらくは寝ている事を確認したのであろう。

「美智子さんもアズサと同じくな・・・
おそらく・・・
美智子さんが普通じゃなくなったんは
多分そのせいや・・・」

木林がそれまで真剣に俺を見据えていたが
視線を落とし俯いてしまう。

「おいおい・・・
キバよ・・・
ちょっと・・・冗談やろ~
するとなんなッお前は
美智子さんがどこのどいつか
分からん訳の分からん幽霊に
犯されてしまったと・・・
お前はそう申すんけ!?」

俺は寝ている2人の事も気にならないほど
動揺してしまい声を荒げて木林の胸倉を掴んでいた。

木林は俺に胸倉を掴まれても何も文句は言わず
ただされるがままいる。

「なあっ!冨田よっ!
お前もそう申すんか!?」

俺は涙ぐみながら冨田を見るが冨田も無言で
俺と視線を反らした。

俺は木林の胸倉を掴んでいた手を放し
天井を見上げていた。

「オーマイゴッド!!!」

思わずそう叫ばずにはいられなかった。
するとしばらく沈黙していた冨田と木林のうち
木林が口を開く。

「武市にはすでに遭遇した事は
話していたんやが・・・
モツよ・・・
もし美智子さんやアズサを・・・
やった奴が分かってまだ浮遊霊として
徘徊してるなったら・・・
仇ていうのもおかしいが・・・
やりにいくんあったら、ついて来るか?」

「なんとっ!?
それでは今日・・・
斎藤さんを犯した相手と
美智子さんを犯した相手は
同じと!?
そう申すんか?」

「申す・・・
本人の口から聞いたからな・・・
死人のくせに一丁前に
性欲だけはあり腐るんよあいつっ!!」

俺はまた興奮して木林の両肩を掴み
揺すりながら

「それじゃあっ!なにかっ!
お前はそいつを取り逃がしたとっ!!」

木林は少しの間悔しそうに
俯きながら

「・・・スマン・・・」

とだけ呟いた。
俺は木林を掴む手を冨田に落ち着けと
ばかりに静止をかけられ木林から手を
離した。

「いや・・・俺の方こそスマン・・・
お前の戦いっぷりみてたから・・・
お前が取り逃がすというくらいの
奴やから余程、ほかの霊たちとは
違うんやろうなぁ・・・
お前も悔しいのに・・・
スマンなキバ・・・」

俺は冨田に制されてようやく落ち着き
本来なら斎藤さんがやられていた現場を目撃し
取り逃がしてしまった木林の方が悔しいであろうと
思い反省する。

「モツよ・・・
俺らの知ってる奴やねん・・・」

木林が拳を握りしめながらそう言う。

「えっ?何がや・・・?」

木林がギリギリと歯を食いしばる音を鳴らせ
それ以上は何も言ってくれない。
するとそれを見かねて冨田が口を開いた。

「ヨシオや・・・
俺らの高校時の副担・・・
古典の仲間義男よ・・・
あいつ死んだみたいやな・・・
それで浮遊霊になって・・・
どこぞの神格並みの強い霊力を持った
輩に色情霊化されたみたいや。
こいつ(木林を指差しながら)のバイト先の
女性のお客さんもヨシオにやられてんねん。
西口さんも狙われた・・・
こいつも相当悔しいんやぞっ!」

冨田も珍しく怒りを露わにしている。

「モツよ…お前も美智子さんの
事で腹立つやろうけど・・・な・・・」

その後静かに冨田がそう続けた。
俺は木林と同じように握りしめた拳の
振り下ろす先が無い事に憤りを感じ
その後、俺自身が言ったのか俺の中に
居る誰かに言わされたような感覚がしたが

「冨田よ・・・
俺にあいつらと戦う技教えてくれ・・・
頼むわ・・・」

俺はそう言い冨田に土下座をしていた。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン31 決意 終わり⦆




コメントの投稿
非公開コメント

プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
扉裏口通過人数
スポンサーリンク
ランキング
にほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ
にほんブログ村 アダルトブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR