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扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン32 今後の問題

あっちゃんをあのまま部屋に置いて行くわけにはいかずに
とりあえず木林が西口さんに連絡をし、事情を説明すると
西口さんは快くあっちゃんと持村の彼女の美智子さんをひとまず
置いてくれる事に承諾してくれた。

木林はあっちゃんを起こし、まだ呆然としているあっちゃんに
何とか事情を説明し、西口さんに家に少しの間かくまってもらえるよう
説得をしたが、意味は深く理解はしていなさそうであるが、西口さん
の家に匿ってもらうといいことだけは納得していた。

「私もう1人は嫌・・・
真由佳ちゃんの家に泊めてもらえるなら
その方が良い・・・」

といつもの明るい声ではなく何となく気の抜けたような
声でそう言った、あっちゃんからは八龍に行った時、以前の
元気は感じられない事に俺の心が痛む。

しかし、持村が美智子さんを説得するのはもっと大変だった。
持村は事情と今日起こったいきさつを美智子さんに説明し
俺や木林、そしてあっちゃんの事を紹介し、今いるここは
美智子さんが住むマンションの部屋の隣の隣の部屋であることも
説明していた。

途中何度か取り乱す美智子さんを何度も落ち着かせ、このマンションが
危険であるという事を解ってもらいようやく納得した。

美智子さんと持村は着替えや日用品を取りに美智子さんの部屋に
戻ると言ったが、まだ風呂場にはあの穴があるであろうからと俺と
木林が止め、穴の存在を見ていた持村も納得する。

着替えや日用品に必要な物は途中で買って行くこととした。

あっちゃんは自分の部屋であったため、必要な物をバッグに
詰め込むと俺と木林あっちゃんは木林の車に乗り、美智子さんは
持村の車で木林の車の後をついて来て西口さんの住む、泉佐川駅の
そばにあるマンションに着いた。

木林がちょっと待ってなと言い西口さんに電話をしている。

「もしもし、西口さん、今ちょうどマンションの下なんやけど・・・」

「うん・・うん・・・ごめんな~急にこんなことになって・・・
うん4人で住むには少し狭いかも知れんけど俺が何とか
安全な住居を確保できるよう速攻動いてみるから・・・
それまでは頼むわ~」

木林は人に物を頼むのが非常にうまい。
俺ならこう上手く当たり前のように同級生の女の子には
頼めないだろうと思い話を聞いていた。

とりあえず5人で西口さんの部屋の前まで行き
あっちゃんは西口さんとはもともと、高校の同級生で卒業後も
遊んだりしていた中だったので、心配は無かったが
持村が久しぶりに会う西口さんに何度も頭を下げながら
美智子さんを紹介しつつ頼んでいる姿を見ると、俺はこいつは
本当に美智子さんが好きなんだなと感じた。

いつになれば俺がそこまで思えるような女性に巡り合えるのか・・・
木林や持村を見ていて1人疎外感を感じるが今はそれどころではない。

持村はこのまま一旦会社に戻った後、帰宅しその後再度俺に
電話をくれるとの事。

今後の事を相談したいと言い残し白のヴァンで去って行った。

俺は木林の・・・いや木林の親父さんの車に乗せてもらうと
車内で木林が俺しか居ない車の中で独り言のように呟く。

「西口さんはホンマにええ子やよなぁ・・・」

「ああ。全くもって異論はないよ。」

見ず知らずのモツの彼女の美智子さんまで匿って
くれる西口さんがええ子でなくて誰がええ子やねんと
思うほど俺も彼女はええ子と思う。

「しかしよ~いくらええ子やからって
いつまでも4人暮らしはさせれんやろ~
本来ならアズサや美智子さんが自分で
新しい住むところ探したらええんやけど・・・
今の2人の精神状態でそれをせえ言うんは
あまりにも酷やろ?」

木林が前を向き車を走らせながら言う。

「そりゃあそうやがなぁ・・・」

木林の言う事は最もだが今の俺たちはただの学生である。
彼女たちに住むところを提供できるほどの資力も知恵も人脈も無いのだ。

「それによ~ヨシオがまだ徘徊するこの町で
1人で暮らさせるのはあまりにも危険と言うもんやわなぁ・・・
とりあえず西口さんにはあのハーレム状態の
部屋にヨシオもしくはややこしいもんが現れたら
すぐに俺に連絡するように言ってある・・・
後、甲田先生特性の塩よ~武市、分けれるだけ分けてくれよ。
とりあえず西口さんに渡しておくわ。念の為な。」

しかし本当にまさにハーレム状態である。
タイプこそ違うが美女4人が住む部屋など
この泉佐川中を探しても西口さんの部屋しかあるまい。
何ならこの俺が住み込みでボディーガードを務めたいくらいであるが
今でも4人で狭いところにゴリラの如し容積率の誇る俺が行けば
もはやそこには住める敷地が無くなるのも必須。
それは俺でなくとも俺よりも幅を取らない木林であっても
同じであろう。
西口さんの部屋は今でもう限界である。

「ああ。あの塩なら好きなだけ持っていけば良いさ。
しかし、お前が言う通り、ヨシオはあの伊田さんの作って
くれた霊具で蹴り飛ばしても蹴った個所しか消えずに
散華せんのなら、もはや叔母の塩ですら気休め程度には
ならんやろうがなぁ・・・」

「ああ・・・
俺もそこが心配なんやが・・・
さすがに俺らが張り付くわけにも
行かんしのう・・
ヨシオもあれだけボテッたから
当分は大人しくしてたらええんやが・・・」

4人で暮らすことになった西口さんにかけている
迷惑の早急な対処。

未だにこの泉州一帯を徘徊する色情霊化した
俺たちの元、副担任ヨシオ。

あっちゃんやモツの彼女の美智子さん、それに西口さんのバイト先の
先輩である陽子さん。彼女たちの精神面の回復。

俺たちには目先に解決せぬばならぬ課題が山積みであった。
そんな中、木林が何かをひらめいたように叫び急にハンドルを切り
俺を送るために走らせて車を俺の家の方と反対側に走らせて行った。

「そうやっ!そうやっ!とりあえずこんな時の為にあいつがおるんよっ!」

俺の自宅はそっちとちゃうでとは突っ込まずここは俺もひとまず木林に
付いて行くことにした。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ヨシオのターン32 今後の問題 終わり⦆



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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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