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扉シリーズ 第3.5章 ミノムシの逆襲2 西口真由佳

あの時と同じだ・・・

あの時のように動けないし

あの時の脳に直接語り掛けられるような
嫌悪感しか感じない声が聞こえる。

私たちの高校の時の副担任で古典の教師でもあった。

仲間先生…一部の男子からはミノムシとか
ミノちゃんとか言い弄られていたけど・・・
私は先生に恨まれることはしていないのに・・・

どうしてこんなにしつこく・・・

私の部屋に残してきている3人、陽子さんに美智子さんに
あっちゃんこと斎藤さんはおそらく最近、皆、仲間先生の犠牲に
なっていると思われる。

私も未遂には終わったが襲われた・・・

危なかったのは、既に襲われた3人ではなく、まだ殆ど何もされずに
済んでいた私の方だったのね・・・

木林君・・・助けて・・・動けないよ~
茜ママ・・・
冨田君・・・

私は動けないまま、今は使われていない焼き肉屋
【焼肉モロコシ】
に連れていかれて座敷のテーブルの上に
正座するように座らされていた。

目の前には少し生きている人間より
白っぽい血の気の無い肌の色の
スーツを着た仲間先生が確かに居る。

普段は幽霊など見えない私の目にも
仲間先生の姿ははっきりと映る。

『さて西口さん。
お仕置きの時間ですよ~
今日のお仕置きはすこ~し
キツイですからね~
この間、邪魔をした木林を恨むほど
この間私にお仕置きを受けておいた
方が良かったと思えるほどの
お仕置きが君には待ってま~す』

なんで!?なんで!?

学生時代から今日までを振り返っても
私は仲間先生に恨まれるようなことを
した覚えはない。

木林君ならともかく・・・

木林君は陸上部を怪我で休部してから
よく2人1組で行動していた仲代君と
仲間先生を弄り、担任の中辻先生に
腕立てをさせられていたのを見たことはあるが・・・

何!?何で私・・・
最近木林君と仲が良いから?

しかしよくよく考えればこの人は
あっちゃんの事も犯している・・・
あっちゃんも高校時代は私やよっちゃんと同じ
比較的真面目なグループに属していた。

女子なら川上裕美さんや、斎藤由紀子さんたちの
方が男子と一緒になり仲間先生を弄っていたし・・・

それに陽子さんや美智子さんも仲間先生と関係が
あるとは思えないがおそらく犯されている・・・

要は生きていた時の恨みではなく、ただ自分が生きていた
時に果たせなかった欲望を果たしたいのね・・・

人間のクズだ・・・この人は・・・
もう人間ですら無いのかも知れないけど・・・

私は身体が動かずに声すら出ない状態で
焼肉モロコシの座敷にあるテーブルの上に
正座をさせられ、目の前のカウンターの椅子に
座る仲間先生の方しか見えない状態でそんな
事を考えていた。

『動けないでしょ~?
西口さん~
君みたいな優等生をお仕置きできる
事に私は今凄く興奮しておりますよ~
今の心境を句にすると・・・
蓑虫に
憑かれては散る
百合の花
て所ですかね~
私の色情霊としての名前は
奇しくも君たちの学年の男子に
つけられたあだ名と同じなのでね~
蓑虫としましたよ~
憑かれているのは今の君の状態を
表します。
動けないでしょ?
でもね~この金縛りは・・・
1度絶頂しちゃうと自然に
解けますからね~
あの清楚な優等生の西口真由佳さん
が絶頂しちゃうのはどのお仕置きの時かな?
百合の花はまさに君のその清楚なイメージから
君を百合の花にたとえましてね~
我ながら良い句でしょ?』

な・・・何?この人・・・

ぜ・・・絶頂って・・・?

確か・・・エッチの時に逝くというのが
ある事は知っていたが私の身体はその
経験を知らない。

というか、そこまで経験も無いし・・・
全くないわけではないが・・・
高校時代に陸上部の先輩が卒業するときに
付き合ったわけではないが・・・
流れで1度だけ経験してからは2人と経験があり
合計でも3人と3回で、私は過去に1度だけできた
彼氏ともそういった関係にはならずに別れていた。

しかしこの状況でも古典の教師気取りで居る仲間先生に
ふざけた句なども読むしなんだか腹が立って来る。

『良いですね~目だけは金縛りの
呪力を受けていても表情は表れます。
あの西口真由佳さんが怒りの視線を
私にぶつけている・・・
ジンジン君の霊圧を感じますよ~
この身であればこそですかね~』

仲間先生が私に近づいて来てテーブルの上に正座を
させられている私のポニーテールに結んでいる髪の
耳の横あたりの髪を撫でながら私に顔を近づけてくる。

きゃ~!!気持ち悪い!気持ち悪い!!
絶対無理~!!!

心の中でいくら叫ぼうが声にならないどころか
口を開く事も出来ない。

『私はね~君の他にも今後、とっておきの
お仕置きをする女性のリストを作っていてね~
新しい力にも目覚めたし・・・
お仕置き用の霊具も用意したのだよ~
そういう意味では木林には感謝の1つも
しようかね~
あの男のお陰で、更なる力が必要と分かり
更なる力を院長にも頂けましたからね~』

そう言いながら仲間先生は、座敷に札を貼った工具のようなものや
男性器を模ったような物をズラリと並べた。

その道具を私は今まで目にしたことも無かったが、これから
自分がされる事が、陽子さんたちがされた事と同じだと思うと
知識はないがその道具がおのずとどのように使われるものかも
想像がつき、私は動けない身体ではあるが背中に汗だけは掻いていた。

⦅扉シリーズ 第3.5章 ミノムシの逆襲2 西口真由佳 終わり⦆





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プロフィール

千景

Author:千景
私は他の一夜限りの思い出話という官能小説を今も書き続けております。今回はホラー小説扉筆者の冨田さんより扉の官能部分に当てはまるシーンの描写のご依頼があり引き受けた次第でございます。本編のイメージを壊さないよう精一杯書かせて頂きます。

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